2011年11月27日日曜日

仕事を振る

次の部分について。
>休日返上でやるしかないのが自分の現状です。

こういう悩みを抱えている方、特に若い先生に多いのではないかと思う。
そこで一つ聞きたいのが、周りの人は、どうかということである。
みんなが休日返上してやっているのか。
よく見ると、休日は自分や家族の時間として確保している人はいないか。
もしいるとしたら、なぜそうできるのか。

その答えの一つに、「仕事を人に振っている」ということが挙げられる。
「仕事を振る」というと、何だか人任せで無責任だと思う人もいるかもしれない。

そうではない。
「仕事を振る」というのは、責任のある人の持つ能力の一つなのである。
特に人の上に立つ人間には絶対必要になる。
アインシュタインやイチローのような孤高の天才ならともかく、我々は凡人であり、組織で仕事をしているからである。

自分にできることは、限られている。
だから、自分でやるべき部分には全力を尽くす。
逆に、そうでない部分は、人に任せる。
人に任せるべき部分まで自分でやってしまうと、組織全体の損益になる。

若い人に任せられがちで多忙な校務分掌の代表格、「体育主任」を例に考える。
体育的行事は、校内に山ほどある。
熱心な人は、全部自分の責任だと思い、全て自分でがんばる。
若い内はそれでも良い。
しかし、体育主任経験が3年以上にもなってそれでは、問題である。
次の人が育たない。
つまり、自分が異動した後、今の学校がどうなるかという視点がない。
自分で全部やってしまう人は、実は視点を変えると、無責任とも言える。
(中学の熱心な部活動指導者にも当てはまる。
ワンマンでやってきた場合、異動した後受け持つ人が大変苦しむことがある。
子どもだけでなく、保護者からクレームが来ることもあるという。
練習メニューの文書でも何でもいいから、指導方法を引き継いでから異動してほしい。)

仕事を割り振って様々な人に分担しておけば、みんなが仕事を覚える。
自分がいなくても大丈夫な状態になり、かつ他の職員がレベルアップする。
空いた時間で、自分自身を更にレベルアップする。
だから、学校のことと自分のことを、本当に考えるなら、仕事は自分だけで抱えてはダメなのである。

そもそも、学校の子どもは、自分のものではない。
保護者の子どもであり、学校の子どもであり、地域の子どもであり、日本の子どもである。
職員みんなで分担すればよい。
色んな先生に関わる方が、子どもも幸せである。

仕事を上手に振れること、頼めることは、大切な仕事能力の一つである。
(次号に続く)

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