前号の続き。
算数の授業を例に考える。
大抵の学級で力を入れるのは「全員がわかるようにする」ことである。
落ちこぼれを作らないことである。
逆に、能力が飛び抜けて高い者は、学級によってはむしろ厄介者扱いになることすらある。
解くのが速すぎて、課題が追いつかない状態になったりする。
その子どもを満足させられる問題を、その子用に提示してあげる必要が出る。
こちらの労力も大きい。
一方、理解度最下層の子どもを、平均まで引き上げるのも困難を極める。
平均的に1の労力でわかることに対し、10やっても効果がほとんどないということも多い。
そして上と下にばかりかまけて、中ぐらいレベルの理解度の子どもが、一番ほっぽられがちになる。
しかし前号でも書いたが、中間層は絶対落としてはならない。
普通に教材研究すれば、中間層に対応した授業はできる。
やはり工夫すべきは、上位、下位の理解レベルの子どもである。
上位レベルの子どもには、発展問題を用意しておく。
オススメは、明治図書から出ている「教室熱中!難問1問選択システム」シリーズ(各学年)である。
初任の頃からずっとお世話になっている。
自分で難問を考えるのは結構大変だが、これ1冊あればかなり対応できる。
理解度下位レベルの子どもには、前にも言ったが個別指導。
ティームティーチングを組める幸運な環境ならば、状況を伝えておいて、一人に任せる。
(二人でかかると、子ども自身が嫌がるので避ける。)
そうでない一般的な環境なら、短くヒントを出してさっと個別指導。
じっくりくっついてやっても、頼るばかりで結局力はつかない。
ヒントを見て、周りの仲間を見て、正解を見て、自分自身で理解を深めていくしかない。
結局、特効薬はない。
やるべきことを、決めてきちっとやる。
後は、ある程度からは本人に任せる気持ちも大切である。
日々、研鑽あるのみ。
2011年11月17日木曜日
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