分数の割り算をどう教えるか。
例えば、子どもが親に聞く。
子「分数の割り算ってどうやるの?」
親「簡単よ。ひっくり返してかけるのよ。」
子「何でそうなるの?」
親「そういうものなの。」
子「ふーん。」
まあ、大体こんなものである。
大人になって分数の割り算の演算理由を述べる必要のある職業など、多分教師ぐらいである。
演算が楽なだけに、理由が忘れ去られがちである。
(ちなみに三角形や台形の面積の公式に関しても、似たような会話が出る。)
面積図を使ったり演算を色々いじったりして説明する訳だが、まあどれもよくはわからない。
わかったようなわからないような感じである。
ただ、大切なのは「なんとなくだけど納得できた」という状態にまで持っていくこと。
とにかくひっくり返してかけなさいといったことを暗記させると、それに慣れっこになる。
わからないけど命令通りに動くことを学ぶ。
それは避けたい。
ある程度納得した上で、「演算を続けると、最終的にひっくり返してかけることになる」と落としこむ。
公式を導く時に共通する原則である。
なぜそうなるのか、訳が説明できるならば、後は自由に使ってよいと教える。
(まあ、実際には使っている内に理由は忘れてしまうのだが。)
しかし、何であれ、一度は納得したという経験の上で使わせるようにしたい。
2011年6月15日水曜日
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私が書いた、「学校ではこんなこと教えてくれない」という本で、分数の割り算について、帯図と数直線で説明しています。どうぞ、読んでみてください。
返信削除コメント、ありがとうございます。
返信削除読ませていただき、参考にしたいと思います。
2012年5月2日の匿名、名前を書きます。堀と申します。「分数の割り算には、主に3つの考え方」という標題で、「分数の割り算」の所に、最近blogを載せました。わが著書に追加分を加えました。
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