国語の大家として有名な大村はま氏。
大村はま氏の著作の中に、作文指導に関する記述があった。
正確には覚えていないが、以下のような話だった。
大村はま氏がまだ若手教師として奮闘していた頃。
作文の山(当時は1学級の人数も今の数倍いたらしい)を抱えて職員室に入った。
冬の寒い時期で、校長はじめ職員はストーブを囲んで暖をとっていた。
作文の山にげんなりしていると、校長は大村氏に次のようにいった。
「ここに放り込んで、燃やしちゃえよ。」
とんでもない話である。
しかし、校長は次のように語ったという。
「作文は添削が大変だから、ついつい教師も書かせなくなってしまう。
添削がいやなら、見なければいい。
作文指導で大切なことは、とにかくたくさん書かせることだ。
書かせる内に、作文は上達する。
一番いけないのは、教師が添削を嫌がって、書かせなくなることだ。
燃やしてもいいから、たくさん書かせなさい。」
私の記憶なので相当曖昧だが、そういう内容だった。
なるほど、一理ある話である。
(ちなみに、その後、大村はま氏は作文を燃やさないで、何だかんだ読んだようである。)
さすがに燃やしたり捨てたりしてはまずいと思うが、書かせなくなるのはもっとまずい。
ざっとでもいいから見て、とにかくたくさん書かせた方が、確実に学力形成にはつながる。
ちょっと極端な例だが、こういう考え方もありだと思う。
2011年7月23日土曜日
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