2012年12月4日火曜日
クラス憲法作り実践報告
先日、校内授業研があった。
私は社会科の公民で「クラス憲法作り」の授業を行った。
以前紹介した、有田和正氏の実践の修正追試である。
一通り憲法の学習を終えた後の、まとめ、発展として行った。
簡単に説明すると、次のような流れ。
1 憲法カルタ(歴史人物カルタの要領)
2 日本国憲法と大日本帝国憲法の大きな違いを確認
(国民中心と天皇中心)
3 「大松尾帝国憲法」の提示で、内容の良し悪しを問う
4 日本国憲法をもとに、クラス憲法を作ることを確認
5 全員で1つ条文を作る(作り方の共有化)
6 班で相談しながら自分で作る
7 班で読み合い、良いものを班で1つ黒板に書く(班→全体での共有化)
8 発表し、クラス憲法として良いかどうかの検討
9 次回以降の作成の手順の確認
(同じような条文を作った者同士で検討
→全体発表と検討
→3分の2以上の賛成条文は可決)
実際やってみて、次のような感触であった。
1 憲法の基礎知識があったからこそ成り立つ
2 「憲法カルタ」が知識の定着に効果的
3 教師のモデリングが大切(例を予め作っておく)
4 算数の問題解決学習と同じ要領でできる
5 作ったものは学級で実際に採用するということで、切実感と興味・関心を持って取り組める
6 憲法をよりきちんと読み込むきっかけになる
また、講師の先生より次のような貴重な指導をいただいた。
憲法は他の法律のもととなる最高法規であり、意味が重たい。
「憲法」は実際には作れず、クラスで作るものはあくまで「ルール」であることを改めて教えること。
そして、全国には様々なイデオロギーを持つ方がいるので注意すること。
(憲法、国旗、国歌、領土等の扱いは特に注意。)
そう考えると、大きな公の場での発表は難しい実践かもしれない。
(私はそんな機会がないので心配ないが。)
しかしながら、クラス憲法作りを通して、憲法学習の理解は深まる。
そして、無味乾燥になりがちの公民学習に興味を持つきっかけにはなる。
事前調査で興味なしとされた憲法も、興味ありの方向に転じた。
課題もあるが、手応えのある実践にはなった。
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