教室移動の際、「きちんと並んで歩きなさい」と言う。
なぜその必要があるのか。
子どもにきかれたら、いくつの理由を即答できるだろうか。
どんな行為でも、意味がある。
前号で書いた「荷物を机の脇にかけない」ということだって、たくさん意味付けできる。
意味を多く自覚できていることほど、必要性が高まり、自然に守れるようになる。
例えば「横断歩道は左右を見て渡る」は、必要性がわかっているなら、言われなくても守る。
うかつに渡るとひかれて大けがすると知っている。
幼児はそれがわかっていないから、平気で飛び出す。
大切なことでも、意味がわかっていなければ、できない訳である。
では、教室移動の際、廊下をきちんと並んで歩く必要性は何なのか。
もし授業時間中、または授業終了が早まった場合であるなら、移動は静かにする必要がある。
他クラスに迷惑がかかる。
この場合の重要ポイントは、おしゃべりさせないこと、素早く移動することである。
その為には、真っ直ぐ並んで歩けばよい。
左右に並ぶと話しやすいが、前後は話しにくい。
また、きちんと列も詰める。
そうすれば移動時間が短くなる。
それに、だらだらと長い時間廊下前を通過されるのは、他教室の児童の集中を妨げる。
さらに、廊下は狭い。
狭い廊下を集団が広がって歩けば、他の人に迷惑である。
だから、片側に寄って並んで歩く必要がある。
「きちんと並ばせるのは管理的で嫌だ」という人もいる。
管理的になりがちなのは、意味を教えないでやらせるからだと思う。
心から進んでそれに従いたくなるよう、意味を教えてやってみる。
そして、然るべき場面でのびのび活動させればよい。
日本人の美徳である「きちんと」した礼儀正しさとその意味を、学校で教える。
本来家庭教育の分野ではあるが、時代が変わった今、学校教育の大切な役割である。
2012年10月15日月曜日
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