学級でのいじめは絶対に解決すべき理由について。
前号で、行動を変えるには理由付けが大切ということについて述べた。
そして理由付けには、欲求段階を考えることも大切であると書いた。
これは、学級経営における子どもの行動にもいえる。
「生理的欲求」は最優先される。
飲食店がいつまでもなくならないのは、生理的欲求が日ごとに起きるものだからである。
「1ヶ月分食べたから1ヶ月食べたくならない」となれば、飲食店経営も立ち行かなくなる。
「寝だめ」ができないと知ることも、早起きの習慣をつける上で大切な知識である。
そして「寝だめ」はできないが、「睡眠負債」はできるところがまた厄介である。
早寝早起きとまでいかなくても、子どもが睡眠不足や朝ご飯抜きで登校していてはダメな理由はここである。
欲求段階の最下層で満たされていないのに、やる気が出るはずがない。
(これは、大人でも当てはまる。)
次に「安全欲求」。
心身の危険にさらされないことである。
日本に普通に暮らしている以上は、ほぼ満たされる。
家庭にDVや虐待といったことがあると、ここの欲求段階で止まる。
今では大分減ったと思うが、ミスをすると殴られるといった異常に暴力的な部活動などもここの段階である。
死なないように生きることに必死という段階であり、野生の動物と同じ過酷な状況である。
戦争中に生きると、この段階に多くの人が留まると予想される。
はるか昔だと、村ができて稲作ができるまでは、どの人間もこの段階だったのではないかと推測できる。
さて、衣食住足りて安全となると、次の「社会的欲求」の段階に進む。
集団に所属したい、仲間として認められたいという欲求である。
いじめられていると、この段階に留まる。
いじめがあるクラスで何をやってもうまくいかないのは、このためである。
次の段階に行こうという欲求が生じない。
ただ自分が集団からはじかれないことに全神経を集中することになる。
一人でもいじめられていれば、本能的に「明日は我が身」と感じ、防衛本能が働くのみである。
ここまでが「外的に充たされたい」という欲求の段階である。
これさえ満たされないで、次の「内的に充たされたい」段階には進めない。
どんな素敵なお題目も、机上の空論であり、無駄である。
いじめをどう解決していくかということは、また別の機会に書くが、とにかくまずはここ。
絶対にいじめを放置してはならない。
学級経営における基本的な重要ポイントである。
2017年10月12日木曜日
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