先日、道徳の研究会で次の本を紹介され、購入した。
「『超』入門 失敗の本質」
鈴木博毅 著 ダイヤモンド社
日本軍の敗戦を例に、その根本や本質を読み解いていくという内容である。
この本の最初の章に「戦略の失敗は戦術で補えない」とある。
戦術より戦略がより大切ということである。
ところで「戦略」と「戦術」の違いは何か。
類義語だが、意味が違う。
戦略の方がより大局的で、戦術は具体的である。
大きく戦略を考えて、そのためにたくさんの戦術を用いる、という感じである。
元々軍事関係の言葉だが、今ではビジネスやスポーツなどでもよく使われる一般用語である。
学級経営も、戦略的に考える必要がある。
夏休みにたくさん研修を受けたり本を読んだりする。
そこで様々な「戦術」を知る。
しかし、戦術が生きるかどうかは、戦略次第である。
具体的に例を挙げる。
以前紹介した「小さな福の神」という実践がある。
くじ引きでクラスの全員がそれぞれ誰かの福の神になり、一日中取り憑いて密かにいいことをする。
子どもに大人気の実践である。
ゲーム的で面白い。
この実践自体は「戦術」である。
これをどう生かすかが「戦略」になる。
この実践を継続的に通していく中で、これをやっていない時にも自然に「福の神」が出てくる。
自然な「福の神」がだんだん増え、やがて全員が常に「福の神」状態になる。
そうなるように仕向けていくにはどうするか。
ここが「戦略」である。
さらなる「戦術」を組み合わせていくことになる。
つまり、どんなに良い「戦術」でも、単発では効果が薄い。
戦略的に用いてこそ、初めて効果が現れる。
ネタ集めに尽力したら、それをどう生かすかである。
学級経営は「戦略」であり、個々の実践が「戦術」と言える。
夏休みに情報収集した「戦術」を、どう戦略的に用いるか。
ここが、学級経営の面白いところである。
2013年10月5日土曜日
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