先日、陸上の研修会に参加してきた。
昨年度も行った研修会である。
講師は前回同様、以前も紹介した須田先生。
陸上指導のプロである。
非常にためになる話をきけたので、何号かにわたってシェアする。
一番の印象に残ったのが、「今、子どもにその動きを求めるべきか」という話。
この言葉だけだと訳がわからないので、簡単に説明する。
今、世界中がオリンピックで湧いている。
たとえば、ボルト選手は速い。
ボルトの走りは、短距離走においての理想形だろう。
では、ボルトの走りを研究して、一般の人や子どもが完璧に真似てみる。
しかし同じ形にしたところで、当然、うまくいくはずがない。
あらゆる要素が足りない。
何より、筋肉量が圧倒的に足りない。
簡単にわかる話である。
つまり、大人の理想形のフォームを小学生に求めてはいけないということである。
須田氏の話によると、ももがよく上がる「いいフォーム」で走る小学生は、伸びないとのこと。
それよりも、小学生で速い子どもは、意外にも上体が前のめりの「レッグカール」の形で走っている。
かかとがおしりにつくような走りである。
大人がやってたら、確実にダメな走りである。
しかし、腿やお尻の筋肉が未発達な小学生にとっては、自然な形の走りである。
この話を聞いて驚くとともに、他のことでも同じことが言えるのではないかと感じた。
大人の理想形に近づくことが、本当に教育にとっていいのか。
たとえば勉強、運動、道徳性、芸術系の技能。
小学生の内にどこまで負荷をかけていくべきなのか。
一方で、ピアノのように幼児期から猛特訓をしないといけないものもある。
一流スポーツ選手が、子ども時代から相当な無理をしてきているのも事実である。
何をどこまで求めるべきか、再考させられた。
2012年8月29日水曜日
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