子ども時代、「これぐらいできないと将来困るよ」と言われた経験がある人も多いと思う。
優しく言っているようで、やんわり脅している。
この手のアプローチを「恐怖アピール」という。
「○○しないと(すると)大変な目にあう」というタイプの手法である。
恐怖アピールは喫煙や飲酒、薬物乱用の防止など犯罪防止の指導でよく使われる。
命に関わる部分であり、ごく強い指導が必要な部分だからである。
昔からの言い伝えにも、恐怖アピールは多い。
「雷が鳴ると、へそを取られる」
「夜に爪を切ると、親の死に目に会えない」
「夜更かししてると、おばけが来る」
どれも、直接言うと次のようになる。
「お腹を冷やさないよう、温かくしなさい。」
「深爪しないよう、爪は明るい時に切りなさい。」
「夜更かしは身体に悪いから、早く寝なさい。」
昔からの言い伝えには、実はそういった思いやりや愛情の裏付けがある。
こちらは命には関わらないが、子どもに直接優しく言ってもきかないから、恐怖の形にしたものである。
しかし、その他一般の指導の場面でこれを使うのは考えものである。
「怖いからやる(やらない)」になっていないか。
「これぐらいできないと将来困る」、それは本当か。
できなくても大丈夫なことがかなりある。
あいさつ一つとっても、社会人は全員きちんとできるのかというと、自分自身を含め、かなり怪しいと思う。
嘘はいけない。
勉強などは「できた方がいい、楽しい」ぐらいの方が表現として適切でないかと思う。
そうしないと、子どもができない場合に無理に追い詰めることになる。
(自分の指導力がないのは、別問題である。謙虚に学び続ける必要がある。)
概念的な話になったので、次から具体的に考えていく。
2013年12月19日木曜日
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