先日、ある私立高校の校長先生の講演を聴いた。
ためになる話がたくさんあったので、一部だがシェアする。
モノが豊かにある。
幸せなことである、一般的に考えると。
しかし、これが実は不幸ではないかとも考えられる。
子ども部屋を例に考える。
小さい頃から、自分の部屋が与えられている子ども。
それなりに裕福な家庭に育っている子どもである。
自分の空間が持てるのだから、幸せだろう。
しかし、見方を変えると、親と関わらないで生きる空間の提供にもなっている。
数少ない、大人と関わる時間を減らすことにつながる。
さらに、子ども部屋にテレビがついているとする。
子どもは自分の見たい番組を自由に見られる訳である。
一緒に過ごす時間がさらに減ることにつながる。
足りないからこそ、得られるものがある。
足りないからこそ、与えられた時の感謝も生まれる。
そして、足りないからこそ、工夫しようという気持ちも生まれる。
例えば、私には以前こういう経験があった。
その学校は、ラインカーを子どもが休み時間に自由に使える状態であった。
そうすると、子どもは色んな所にラインを引く。
ドッジボールでも、長方形のラインを引く。
その中で遊ぶのである。
ある日、石灰がなくなる。
そうすると、遊べないのである。
「線が引けないから」と。
「足で地面に描けばいいじゃん」と私が言った。
皆、驚いたように「そうか!」と言って足で地面に線を描き始めた。
こんな哀しいことが起きるのである。
モノがあるから思考停止ということもある。
(もちろん、モノがあるからこそ考えられる場面もある。)
やたらにモノを与えすぎてないかという視点も大切である。
2012年9月29日土曜日
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