陸上指導シリーズ第三弾。
今回は「根本を見直す」ということ。
昨年度も同じようなことを書いた気がするが、大切なことなのでもう一度。
運動を指導する時、どうしても末端部分に目がいきがちである。
「腕をよく振って」
「指先を伸ばして」などなど。
しかしよく考えてみると、腕は肩から動いている。
肩は、肩胛骨から動いている。
この肩胛骨は、大臀筋(おしりの筋肉)にも直接つながっている。
そう考えると、「腕をふる」も「脚を動かす」も、全て肩胛骨スタートである。
肩胛骨を少し動かせば、末端の腕や指、脚や足は大きく動くことになる。
つまり、根本を動かすことがポイントである。
体幹運動の理論でも、長距離走の時に「脚」で走らない。
直接働くのは脚部の腿やふくらはぎの筋肉であるように思われる。
しかし、実際に動かすのは「腸腰筋(ちょうようきん)」という、腰と脚をつなぐ筋肉である。
さらにそこを動かすスタート地点は、やはり肩胛骨である。
だから、肩胛骨に羽根が生えたつもりで走る、というのが体幹運動の走りの基本となる。
話が少し逸れたが、運動でも何でも根本を変えれば、末端が大きく変わるということ。
子どもが、こちらが求める動きがうまくできない時がある。
そういう時、求める動きの根本部分はどこなのかを見抜く。
ただ「腕を振れ」ではなく、「肩から生えた羽根ではばたいて」の方が、理想の動きになることがある。
(実は腕自体が振れているかは、どうでもいいことである。)
根本を見抜く力を持ちたい。
2012年9月3日月曜日
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