2013年9月24日火曜日

重きものは軽き如くに

「重きものは軽き如くに
 軽きものは重き如くに」

最近読んだ本で知った言葉で、茶道の心得の一つだそうである。
例えば箸のような軽いものこそ、両手できちんと扱うと、所作が美しく見える。
逆に重たいものの時、いかにも重そうに運んでは凡庸。
本当は重たいのに、いかにも軽々と運ぶ。
軽くやせ我慢だが、これがスマートに見えるコツだそうである。

ここ数回「すごい人」「尊敬する人」について書いてきていて、ピンときた。
すごい人達は、面倒なことをあっさりやる。
ちょっとしたことを、丁寧にやる。

何度も書いているが、例えば葉書や手紙。
書くのは結構億劫なはずなのに、会ったその日や帰りの新幹線でもう書いてたりする。
凡庸なこちらが「よーし、明日自分から書こう!」と気合いを入れていると、もう相手から届いている。

例えば、お辞儀。
軽くやってしまいがちである。
すごい人は姿勢を正し、相手より深く長い礼をする。
それも、ごく自然にやる。
お辞儀一つでもかなわない。

例えば、長距離の移動。
お金も時間もかかる。
北海道だろうが沖縄だろうが、必要ならあっさり行く。
(多分、実際は懐が痛むはずである。遠方になれば、家族の合意もいるだろう。)

例えば、講演。
膨大な時間をかけてたくさん準備している。
しかし、全部出さない。
状況を見て、あっさり引っ込める。
授業でも同様である。
緊張している様子も見られない。
(後でご本人にきくと「実は無茶苦茶頑張ってた」ということも多い。)

懇親会のような場でも、小さな気配りをさらっとやっている。
どちらが講師かわからない。

「重きものは軽き如くに
 軽きものは重き如くに」
物事の本質を捉えた実にいい言葉だと思ったので、紹介した。

0 件のコメント:

コメントを投稿

  • SEOブログパーツ
人気ブログランキングへ
ブログランキング

にほんブログ村ランキング