「聴く力」シリーズの続き。
聴く力、というか姿勢を、保護者と連携してつけることについて述べる。
4月、最初の保護者会。(大体、授業参観後である。)
保護者の方々にお願いすることがある。
以前紹介したが、「先生の言うことをききなさい」と家庭で言うようお願いする。
当然、こちらは「家の人の言うことをききなさい」と指導することも約束し、実行し続ける。
どちらか一方の言うことを守ると、両方の言うことをきくことになる。
家庭と学校、そして何より子どもにとって有益である。
双方の意見が割れると子どもが混乱するので、そういう場合は直接担任に言って欲しいと伝える。
学習用具の使い方や宿題についてなど、家庭の方針と合わないことも多いからである。
子どもが学校の文句を家庭で言って、それに保護者が同意すると、最悪である。
それ以外のあらゆる指導も通らなくなる。
つまり、「聴かない」「素直でない」状態になる。
素直でなくなるから、曲がる。
真っ直ぐ伸びなくなる。
成長の機会を逃す。
学校生活の大半を一緒に過ごす担任の先生の言うことを聴けない状態は、子どもにとって大変な不幸である。
(これが担任でなく親や習い事の先生、コーチ等の場合も、同様である。)
だから、そういう場合は、親と担任で直接相談し、方向を揃える。
基本的に、担任が家庭に合わせる方が良い。
担任は毎年変わるので方針も変わるが、家庭の方針は一生もの。
そこを譲らないで、関係を壊してまで守る価値があるか、ということである。
身体に関わる部分を考えるとわかりやすい。
心臓病を抱えて運動制限がある子どもに、無理矢理マラソン練習をさせる人はいない。
みんなでやっていようが、それは特例を出す。
他の子ども達には、簡単に説明してあげれば大抵わかる。
その程度でクラスが崩れてしまうようなら、他の部分に問題があるかもしれない。
保護者との連携ほど、教育効果の高い手段はない。
学級経営が本当に上手な先生は、保護者との関係作りがとても上手い。
保護者が「先生の言うことなら」と言ってくれたら、もうそこの子どもとの関係は安定するしか道がない。
たとえ学級が崩れたとしても、保護者との関係は絶対崩さないぐらいの気配りが必要である。
2013年5月8日水曜日
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