2013年5月11日土曜日

子ども同士の聴く力をつける

聴く力をつけるという話の続き。
今回のテーマは「子ども同士の聴く力をつける」。
子ども同士をつなぐ、という意味でも、大変重要なテーマだと思う。

具体的な方法や実践は、今日的なテーマなので、附属小学校等はじめ、たくさんある。
実際に自分がやってきて、実感として効果があると思うものを一つ紹介する。

よくやるのが「班内シェア」。
原田隆史先生の教師塾で、自分が生徒として体験して、すごくいいと思って取り入れた。

ある事柄について、自分の意見を言わせる。
ただし、ノートに書く→隣同士→班→全体発表とつなぐ。
ノートに書くという行為は、いわば個人内発表(自分の考えの具体的発露)である。
テーマとしてきちんと考えさせたい場合にだけ書かせる。
全体発表は、ハードルが高く、時間もかかるので、必要ない場合はやらない。
かわりに、隣同士や少人数グループでの発表経験をなるべく数多く踏む。
もう、5分から10分に1回ぐらいの頻度で、短く何度もやる。
教師側のフレーズはシンプルに「はい、これについて班内シェア」だけでいい。

「『話す』じゃなくて『聴く』がテーマじゃないの?」と思った方もいるかもしれない。
「話す」と「聴く」は、セットである。(そして、聴く方が重要。)
自分も話す機会があるからこそ、相手の話も聴こうという気になる面がある。
講義などでも、質問しようと思っていると、聴ける情報量が大幅に増える。
テストがあるからこそ、一生懸命聴くという面がある。
よりよく聴くためには、力試しというか、自己表現というか、アウトプットの場面を想定するのが有効である。

話す前提を持って聴く、という姿勢をここで作る。
自分の話を聴いてもらうには、自分も一生懸命人の話を聴く必要があると学べる。
また、聴いてもらうことで、逆に聴き方も学べる。
どういう聴き方をされると嬉しいか、または嫌かということがわかる。
自分が話すことで、話し方以上に聴き方が学べる。
4人での班内発表であれば、1回の話す機会に3回の聴く機会ができる。
話す力もさることながら、聴く力がつき、子ども同士のつながりも深まる。
そもそも「良い聴き手が良い話し手を作る」のであるから、話す力も聴く力にかかっていると言ってよい。

また、「フリートーク」もおすすめである。
帰りの会や学級会などで設定する。
「3分間」など時間を決めて、近くの人とテーマについて自由に意見交換する。
言うなれば、公的なおしゃべりタイムである。
普通の休み時間のおしゃべりと違う点は、気の合う仲間同士に限定されないこと。
人間関係作りと自己開示が主たる目的なので、テーマはくだらないことでもいい。
「最近感動したこと」といったものから「好きなアニメ」でも何でもいい。
ルールはただ一つ、肯定的に聴き、否定しないこと。
「それ、面白いね!」「いいね!」などと敢えて反応フレーズを固定しておくのも、慣れない内は有効である。

子ども同士をつなげる「聴く力」は、自由な風土のクラス作りにも必須である。

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