2016年10月16日日曜日

磨き合う集団の最低要件を考える

磨き合う集団の最低要件は何か。
例の如く、逆思考でアプローチする。

磨き合う集団でない状態。
磨き合わない集団。
または、貶め合う集団。

磨き合わない集団は、個人プレーが顕著な特徴である。
自分さえ良ければいい。
関心の対象が自分のみで、他への興味・関心がない集団である。
集団の様相は、単に集まっているだけの「群れ」であり、烏合の衆である。
以前紹介した新型の「静かな学級崩壊」がこちらのタイプである。

貶め合う集団。
こちらは、興味の対象が他人である。
相手を落として相対的に自分を高める。
競争の際も「人に勝つ」という過程が目的化している。
悪口や噂話、嫌がらせや陰湿ないじめや暴力が顕著な特徴である。
集団の様相は、互いが自分の居場所を確保するために押し合いへしあいしている。
一般的にイメージされる学級崩壊の状態である。

では、ここから逆に磨き合う集団を考える。
興味の対象は、自分及び他者。
自分が良いだけでなく、仲間も良いことを求める。
相手を高めることで自分も高める。
得意の相互提供で成り立つ。
健全な競い合いや教え合いの姿が見られる。
感謝や尊敬、人が喜ぶことや困っている人へのいたわりが顕著な特徴である。
集団の様相は、協力することで成し遂げる共通の目的を持ち、居場所は自由ながらもある程度のまとまりを持つ。

つまり、磨き合う集団には
1 共通の目的がある
2 個の違いを認め、各々の得意分野を生かせる
3 他者への関心(思いやり)がある
というあたりが最低要件である。

1は学級目標等が担保する。
2は各教科や生活の多様な場面で発揮できる。
3が最も難しいが、本来、他者への関心は本能である。

2で自分ができる何かをして、人に喜んでもらうという経験は3につながる。
だから、子どもたちにできそうなことは、遠慮なく頼んでどんどんやらせた方がいい。
自己有用感が高まる。
そのチャンスを教師が奪わないことが大切である。

得意の提供ができる場面を多様に用意して、磨き合う集団づくりを進めたい。

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