2016年2月27日土曜日

道徳教材3タイプ

道徳の授業の教材と授業の仕方について。
私の認識としては、教材は簡単に言うと3タイプである。
1 読むだけで共通の説得力を持つ教材
2 力があるが解釈のわれる教材
3 やり方次第で良くも悪くもなる教材

まず1のタイプ。
拙著『やる気スイッチ押してみよう!』
http://www.amazon.co.jp/dp/4181646149
にある、「感動スイッチ」を持つ教材がある。
もう、読むだけでぐっと来るタイプの教材である。
本来「素材」でしかないのだが、ねらいさえ明確にすればそのままで「教材」となり得るものである。
本の中の教材例にある『忘れられないご馳走』を読めば、「生命」について考えざるを得なくなる。
『六千人の命のビザ 杉原千畝』を読めば、「公正・公平」や「正義」について考えざるを得なくなる。
『生きてます,15歳』『鈍行列車』を読めば、「家族愛」を感じること必至である。

こういう教材は、あれこれ手を加えないでいい。
(むしろ、加えない方がいい。)
そのままいただくのが基本作法である。

少しテーマが難しくなると、そうはいかない。
それが、2のタイプである。
経験等によって、色々と解釈できるタイプの教材である。

『おおきな木』(原題『The Giving Tree』)という名作絵本がある。
http://www.amazon.co.jp/dp/0060256656
これなど解釈がかなり割れるので、感じる「価値」もばらばらになる。
さらに言うと、日本語訳も2バージョン出ており、訳によって内容の感じ方が全く変わってくる。
(これも、翻訳者の「観」によっている。)
そのまま読んでそれだけでもよいのだが、できれば「切り口」を示したい。
例えば「少年と木、どちらが幸せか」というような発問で授業したことがあるが、これが一筋縄でいかずに面白い。
こういった教材は、発問とその反応への対処の技術が必要になる。

最後に、3のタイプ。
これまでのものとは別に、いわゆる「普通の教材」の場合、料理の腕次第になる。
副読本等に載っている「道徳用教材」に多く、これはどっちにも転ぶ。
盛り上がる授業にも、しらける授業にもなり得る。
こういった教材は、提示の仕方から工夫する必要がある。
表面的に読んでわかるようなことをきいても全く面白くない。
誰も気付かないような、新たな切り口を示す必要がある。
深い教材研究が必要になる。
一番料理が難しいが、登場回数が最も多い教材である。

以上、道徳の教材と授業の私見について述べた。
これも私の「観」であるので、正しいかどうかは保証はない。
ただ、実際にこのように授業をしているのは事実である。
自分の中に基準を持つことが大切ではないかと思っている次第である。

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