2015年7月23日木曜日

逆上がりは足し算で考える

前号の続き。
こうもり振り下りから入る授業を提案する。
しかしながら、逆上がりの指導はできた方がいいと思っている。
決して逆上がりの指導を否定している訳ではなく、むしろかなり好きである。
そこで、自分がこれまで逆上がり指導をしてきた上での持論を述べる。

逆上がりを指導していて、私は一つ自分の理論としてずっと持っていることがある。
それは「逆上がりは足し算で考える」という理論である。
仮に、ある人が逆上がりに必要な物理的な力を「100」とする。
何が足し算なのかというと、蹴る力と腹筋で前屈する力(正確には、表裏一体の背筋も含まれる)である。
蹴りが強い(上方かつ後方の回転方向へ蹴ることができる)なら、腹筋は弱くても回れる。
例えば 「蹴り70+腹筋30=計100」 という状態である。
逆に、蹴りが弱くても、腹筋が強ければ回れる。
この場合、「蹴り30+腹筋70=計100」 という状態である。
ここに身体を上手に使うための「逆さ感覚」や「回転感覚」「腕支持感覚」などの感覚も必要になる。
例えば蹴る力も十分、腹筋の力も十分なのに、できない子どももいる。
これは、例えば逆さまになるのが苦手で、逆さになった途端に、力が発揮できないという状態が考えられる。
この場合においては、逆さ感覚をつけるための別アプローチの指導が必要になる。
しかし、物理的な力でいうと、必要なのは地面を蹴る力と腹筋の二つの合力である。
あくまで経験則の話ではあるが、この点は結構確信を持っている。

極端な例で「懸垂逆上がり」を考えるとわかりやすい。
あれは、蹴る力0の腹筋100である。(蹴って上方へいかない分だけ、腕も多少曲げる必要はある。)
下半身が軽くて頭だけが極端に重い幼児は、これが結構できたりする。
逆に言えば、通常の逆上がりであれば、うまく蹴る力さえあれば、腹筋はほとんどいらない場合もある。
だから、単純に「太っているからできない」ということにはならない。
(しかしながら軽い方が当然楽であり、幼児期の方が有利である。)

そう考えると逆上がりの反復練習は、筋力を鍛えつつ、蹴るタイミングと感覚をつかむ練習といえる。
だから『飯田・根本式段階別さか上がり練習法』や、帯・タオル・ベルト等を使う練習には効果がある。
前者は主に蹴る力の方を補助し、後者は主に腹筋の弱さを補助している。
前者は跳び箱と踏切板が蹴る方向を修正し、身体の移動距離を短くしてくれる。
傾斜が急なほど、高い位置から蹴ることができ、物理的な力が少なくて済む。
後者は腹筋が弱くても、鉄棒に身体が巻き付くようにしてくれる。
ひもの長さが短いほど、強制的に回転の中心部分にへそが近付くため、楽に回れる。
これらの指導は相当研究されており、一概には言えないかもしれないが、単純化して伝えるとそういう感じである。

ただ、これらの力が、反復してもなかなか身につかない子どももいる。
上達が目に見えない時に努力を継続させること自体、高い指導技術が必要である。
逆上がりに固執せず、様々な方向から鉄棒運動を好きにさせたり、得意にさせたりしたい。

スペースを埋めない

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