先月、大縄について講師という立場で実技指導をさせてもらう機会があった。
そこで大縄の跳び方について一つ良い質問を受けた。
「跳ぶかわりに、縄をまたいでもよいか?」というものだった。
縄を跳ぶ時、跳び手は縄の円運動の進行方向に対して垂直を向いている。
だから、左から縄が来るとすれば、左足→右足とステップを踏めば、縄が足の下を通る。
ダブルダッチの跳び方のイメージである。
この跳び方のメリットは、縄が通り抜ける一瞬を除いてはずっと地面に足がついているので、足への負担が少ないことである。
逆に言えば、疲れてくると、この跳び方になる子どもが出てくるということである。
結論を言うと、この跳び方は避けた方が良いと考える。
楽なので、子どもは希望したがるが、ひっかかる確立が数倍に上がる。
まず、脚を左右に開く分、ひっかかる部分が広がる。
更に、低く跳ぶことになるため、縄がイレギュラーに高くなった時に対応できない。
縦×横×高さ×人数の体積分、ひっかかりポイントが増える訳である。
(上記の縦はどの跳び方でも変わらないので一定。)
やはりきつくても、両足をきちんと揃えて跳ぶ方が良いだろう。
更に、人間の心理で、縄の来る方向に跳ぶ方が楽なため、列の縦がずれる副作用もある。
先の例でいくと、どんどん左にずれていく。
両足をそろえていても起きる現象が、常に起き続ける。
以上のような理由から、特別な事情がない限り、避けた方が良い。
質問を受けることで、自分がなぜその跳び方をさせないのか再考するよいきっかけになった。
良い質問が良い解を生む。
質問は大切である。
別に良問である必要はないので、疑問がある方は是非おききいただきたい。
答える側も大変勉強になる。
2013年1月20日日曜日
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