2017年5月3日水曜日

1年間でどれだけリスクをとったか

ある保育園の、卒園式での話。

卒園式は2部に分かれており、第1部が卒業証書授与などのいわゆる卒業式。
第2部がユニークで、学習発表などを行う。

この中では、竹馬、鉄棒、跳び箱、リズム体操などが行われた。
どれも、全然できない状態からスタートしたことを知っているため、当日の保護者の驚きは大きい。
竹馬では、自分の背丈より高い位置にステップがあるものに乗ってどんどん進んで行く。
跳び箱では、小学校用の跳び箱で3~8段の中から、自分が克服した段数を跳ぶ。

高い竹馬に乗れること、高い跳び箱を跳べること自体に価値がある訳ではない。
自分にとって「高いもの」を越えようと挑戦して克服したことに価値がある。
だから、絶対的に見て高さや段数がどうだろうが構わない。
子どもたちは、自分にとっての「壁」を克服した経験をもつ。
大きな壁を先生や仲間に助けながら克服していく経験をもつ。
「下から見たら果てしなく高いようで、登ってみたらそうでもなかった」ということも知る。
よく「体育で逆上がりができることの価値は何なのか」と問われるが、その答えの中の一つがここにあるように思う。

ここに挑戦することは、先生たちにとっても、かなりのリスクである。
途中でケガをすることもあるし、卒業式本番で失敗するかもしれない。
練習中には嫌がったり挫けたりする子どもたちを、文字通り叱咤激励しながら成長させていく。
褒めてニコニコしているだけでは済まされない辛さがある。
それでも、敢えてリスクをとってくる。
きらきら輝く子どもたちの姿から、その苦労と感動が透けて見える。
結果、会場には何ともいえない感動が生まれる。

人間、楽なことでは感動も成長もしないのである。
困難が読み取れるからこそ、心を動かすものがある。
リスクに対する正当なリターンである。

1年が終わるが、どれぐらいリスクをとって、挑戦してきたか。
1年をふり返る時、その充実度を決めるのは、ここにあるかもしれない。

共感と勘違い

「インクルーシブ教育」に関連した話。 最近、刺さった本。 『跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること』 東田 直樹 著 イースト・プレス (2014/9/5) http://www.eastpress.co.jp/shosai.php?serial=21...

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