一人一台端末が当たり前になり、学校の当たり前も変わった。
「GIGAスクール構想」の目指す全ての子どもに開かれた学びの世界がある、はずであった。
一応確認だが「GIGA」は「Global and Innovation Gateway for All」
=全ての児童・生徒のための世界につながる革新的な扉
の頭文字である。
「1ギガバイト」とかの意味のギガではない。
(それとかけているのだと思っているが、そのネーミングについての公式見解なし。)
次世代への理想を掲げたGIGAスクール構想だが、正直上手く機能していないという声が多く聞こえる。
新しいもの導入は、インフラ整備だけでもかなり大変なのである。
スキルは後回しでモノからの導入となると、多くの人の間で混乱が生じる。
ただでさえ新しいものに恐怖を感じやすい学校現場において、ある種の「嫌悪感」が生じてしまっている様相である。
しかし、ICTに関して遅れまくっていた学校が大きく前進したのだから、本来はいいことのはずなのである。
GIGAスクール構想が、一人一台端末が、ちょっと嫌になってしまった先生が、前向きになるための処方箋はないか。
今月出た拙著は、ここに答える内容となっている。
☆『1人1台端末で起こるクラスのICTトラブルへの予防と対応』
この本は、一人一台端末が本格始動された2021年、この問題への解決を図るべく書いたものである。
実践については自身の勤務校の他、「学級づくり修養会HOPE」の協力を得た。
ICTを無策でそのまま使えば、問題が起きることはわかりきっている。
学級経営と同じなのである。
まず予想できる事態への予防に全力を尽くす。
その上で、トラブルには適切に対処する。
ICTの本を装って具体的な解決策を示しつつ、内実は学級経営の本である。
ネットマナーや個人情報についてどう教えるか。
学校としての端末使用ルールは、本当に適性と言えるか、トラブルが起きたら担任次第になっていないか。
その使用方法については、本当に子どもが悪いのか、実は与え方やルールが悪いのか。
そもそもネット環境が悪い&リテラシーが低い状況で、端末をまずはどう扱うべきか。
この辺りのことについて、全国各地での具体例を挙げて示している。
ここ数号、態度について書いてきたが、態度以前の問題というものもある。
知らないことをできるはずがない。
端末使用など、まさにここである。
態度が悪いのではなく、そもそも根本的にわかっていないという前提が必要である。
あらゆることが重なる中、試行錯誤しながらリアルタイムで書いた。
現場の「今」の温度が伝わる本になったと思う。
ぜひご一読いただきたい一冊である。
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