2018年3月6日火曜日

やる気が浮かない環境をつくる

現在、サークルでやる気スイッチセミナーを企画している。
3月31日に仙台でもやるので、その1週間前の24日(土)に千葉県内でやる予定である。↓
http://kokucheese.com/event/index/505949/

そこで「やる気のあるクラスづくり」に関する話。

結論からいうと、環境が大切である。
やる気のない集団において、やる気のある人間は「空気の読めない寒いやつ」になる。
一方、やる気のある集団において、やる気のない人間は、やはり「寒いやつ」になる。
「みにくいアヒルの子」みたいな話である。

いずれにせよ、そこの水に合わない状態だと、浮く訳である。
多くの人が感じる、職場を異動した1年目の辛さの原因の1つがここである。
やる気が浮かないためにも、やる気があるのが普通という環境づくりが命である。

しかし、最初からやる気集団なら楽だが、普通はそうならない。
放っておくと、やる気集団にはならないことが多い。
むしろ(高学年だと特にだが)冷めていることが多い。
正確には、冷めている風にしないと、周りから浮いてしまうのが恐ろしいから、そういうふりをしているのである。
放っておけば男女が混ざることはないという話と共通する現象である。

では、どうするか。

リーダーである学級担任からの価値付け。
やる気のある人を優遇する。
ここからである。

種を育てる。
まずは核となる子どもを育てる。
そこから、だんだん増やしていけばよい。

これは、授業にもいえる。
やる気のある子どもたちをまずは伸ばすこと。
それにより、集団の平均を引っぱり上げること。

これは決して「できないで苦しんでいる子ども」を放っておいていいという訳ではない。
できないで苦しんでいる少数の子に注目すると、お互いにより苦しいというのが事実である。

むしろ、全体が上がっていく中で、自然に困っている人をフォローをしようという風土が育つという方がよい。
人間はどうせ、苦手分野があるのだから、フォローしたら今度は別の場で自分も助けてもらえばよい。
足の引っ張り合いではなく、お互い様の精神である。

具体的な行動としては、生活のあらゆる場面で、やる気のある子に注目し、認めていくことである。
誤解なきよう付け加えると、注目すべきはあくまで「やる気のある子ども」である。
これは「能力の高い子ども」という訳ではない。
間違いだらけで失敗が多くても、やる気はあるという子どもは存在する。
落ち着きがなくて叱られることも多いけれど、やる気はあるという子どもは存在する。
発言が苦手で黙っているのだけれど、やる気はあるという子どもは存在する。

つまり、学級担任が、何を認める(=見て留める)かである。
例えば「発言しない」=「やる気がない」という尺度だと、大量の取りこぼしを出す。
「ノートに書くのも立派な発言」とは野口芳宏先生の言だが、まさにこれである。
発言一つにも、多面的な見方をしてあげることで、認める場面は格段に増える。
固定観念で見ないことである。

特別支援が必要な子どもには、特に注意である。
本人には実はやる気があるのに、その表現の仕方が適切でないことがほとんどである。
実は、本気で取り組んでいるにもかかわらず、「ふざけている」というように見えてしまう。
仲間の誰かが課題ができた途端に「もうつまんねー!」と叫ぶ子どもがいたら、その本心は「自分もできるようになりたい!」「一番になりたい!」である。

だから、教師の知識のもつ意味は大きい。
教師の無知は、場合によっては罪である。

話がやや逸れた。
やる気のある集団をつくるには、環境をつくること。
それには一人でもやる気がある子どもを優先的に認めていくという、教師の働きかけが命。
そして、やる気を評価する物差しをたくさんもっていることで、認める機会が爆発的に増える。
それなくして、単に「やる気を出そう!」と呼びかけることは、無駄である。

大事な基本なのに、意外と見落としがちなところかと思い、書いてみた。

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