2018年3月10日土曜日

学級開き準備で一年間の見通しをもつ

今月末、学級開きについて何度か話をさせていただく機会がある。
なぜ学級開きが大切か。
学級の悩みは、最初のつまずきが原因のことが多いからである。

5月辺りから、「なぜか」子どもが言うことをきかなくなる。
「なぜか」トラブルが増え始める。
しかしトラブルが多い理由は、単に運が悪いから、だけではない。
トラブルが起きやすい土壌を、最初に作ってしまったからである。

適切な学級開きの準備をすると、見通しがもてる。
そして、最初が肝心ということがよくわかる。
作物を育てる時を思い浮かべるとわかりやすいかもしれない。

作物を育てようとするならば、どの季節に何をすればいいか考える。
最高の収穫ができた状態から、逆算する。
芽が出た直後は弱いこと、虫や冷害のことも考える必要が出る。
そう考えると、まずは土づくりの段階が最も大切だとわかる。

大切なのは良い出来事への見通しであり、そこに向けたトラブルへの見通しである。
準備万端でスタートすれば「想定外」を減らせる。
「まさか鳥に食べられるとは」というのは、鳥がそれを食べる想定がないために起きる悲劇である。
いずれ鳥対策が必要という見通しがあれば、発芽の段階やら結実の段階やらで、それぞれ対策をとる。

今回の2つの学級開きセミナーでは、具体的に「何をするか」をもちろん伝える。
しかしそれ以上に、「何のためにそれをするのか」についても語りたい。
後者は100倍大切である。
拙著『「切り返し」の技術』が多く読まれているのは、この「何のため」までが明確にしてあるからだと思う。

例えば「廊下は○○になって移動」の○○に、なぜ敢えて忍者とゴキブリの両方を入れるのか。
なぜ学級開きの時期に話す必要があるのか。
いつでも廊下は静かにしなくてはいけないのか。
緊張と解放のバランスをどう考えるか。
こういったことも伝える予定である。

また、「何のため」が抜けると、単なる方法論に陥る。
そうすると、少しうまくいかない時に原因がわからなくなったり、継続性がなくなったりする。
ただ単に打ち上げ花火のように一見派手な学級開きをしても、ダメなのである。
過剰な演出はその後の「期待外れ」にもつながり、余計なマイナスも導きかねない。

例えば私は学級開きでは、大抵マジックをやる。
しかしそれは、あくまで興味付けであり、とりあえず話を聞いてもらうための導入でもある。
ねらいの本質は別にある。
本当に伝えたいメッセージを落とさないための一手段である。

キャラクターの問題も大切である。
自分のキャラクターを無視した方法を採用すると、余計に痛い目に遭う。
先の派手な花火の話と同様で、無理な自分を演じ続けることができないからである。
様々な人の学級開きの方法を知ることで、自分に近いものを見つけられるだろう。

学級開きには、学級において最も大切な「躾」の問題も含まれる。
集団として成り立つためのルールの定着はここにかかっている。
子どもが言うことをきかなくなるのは、担任だけでなく、みんなの不幸の始まり。
自ら進んでルールを作って従いたくなるクラスづくりには、スタートが肝心である。

もう、とにかく伝えたいことが山ほどある。
悲観的すぎる次年度の不安を打ち砕き、逆に非現実的なパラダイスのような夢も抱かない。
高い理想を抱いた上で、現実的に立ち向かうこと。
学級開きに必要なのは、具体的にできる方法と理論、哲学である。

年度末は、ほっとしたい時期である。
それはわかる。
ただ、少し早くスタートすれば、後が圧倒的に楽である。
人生においては、フライングは反則では決してなく、むしろ望む結果を得るための基本戦略である。

本を読むことでも、学級開きセミナーに申し込むことでもいい。
次年度、担任として学級をもつ予定のある方は、余裕のある3月から、次年度の準備開始をおすすめする。

☆第5回 学級づくりセミナー「学級開きスペシャル低中高」
講師:浅野英樹×飯村友和×松尾英明×千葉教育サークルスイッチオン
月日:3月24日(土)13:00~17:00
会場:船橋市中央公民館(JR船橋駅より徒歩7分)
↓詳細とお申し込みはこちら
http://kokucheese.com/event/index/505949/

☆第40回縁太会『教えます!「やる気スイッチ」ON!学級開き』
講師:飯村友和×松尾英明×縁太会
日時:3月31日(土)10:00~17:00
場所:戦災復興記念館4階第1会議室(JR仙台駅よりタクシーで5分)
↓詳細とお申し込みはこちら
http://kokucheese.com/event/index/502449//

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