2016年7月31日日曜日

道徳的な行動を選択する基準

主体変容・率先垂範。
拙著『やる気スイッチ』でも第一章で取り上げている最重要項目である。
原田隆史先生の「東京教師塾」で学んだことであり、元々は松下幸之助氏の言葉であるという。

ところで、これがなかなかできない。
教科等なら、難しいのはどれか。
運動の苦手な人は体育と答えるかもしれない。
音楽かも図工かも書写かもしれない。
人前で表現するのが苦手な人は、外国語かもしれない。
あるいは、文章を書くのが苦手で国語かもしれない。

私の思うに、主体変容・率先垂範が最も難しいのは、道徳である。
道徳で教える内容ほど、実行が難しいものはない。
むしろ、大人より子どもの方が優れている面もあったりする。
しかも、長年染みついた行動パターンは、なかなか変わらない。

何が道徳的な行動を促すのか。

一つは、必要感であると思う。
それが本当に必要とわかれば、そういう行動を起こすようになる。
例えば挨拶の必要性は、社会に出るまで案外気付かない。
親や教師に守られない一人の人間として社会に出て、上司に叱られたり接客したりする中で、初めて気付く。
挨拶せざるを得ない状況になって、必要感を持つ。(今は、必要感を持たない職種もたくさんある。)
これは、社会性に起因する。

もう一つは、自尊感情であると思う。
そういう行動を選択する自分が好きならば、そういう行動をとる。
これは、一人であってもそういう行動をする。

大きく分けて、基準はこの「社会」と「自分」の二つではないかと思う。
ここを見ないで道徳を説いても伝わらない。
「良さ」だけでは人は動かない。
「悪いこと・ダメなこと」「楽なこと」に自然と流れるのが人間だという視点も必要である。

「感謝」ということ一つ扱うにしても、ここが大切である。
感謝をしなくても生きていける。
だからこそ、感謝という行動の価値付けが必要となる。

価値は、社会にとってと自分にとっての両面で考える。
表面的に道徳を説いても、思う効果は得られないと心得たい。

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