前号の続き。
夏休みの宿題のねらいは何か。
本来は「生活習慣の形成」であると思う。
前号に書いた「ダラダラ防止」である。
これには、日記のような、日々やらないといけない課題が適切である。
毎日コツコツ続けることで、学校がある日に近い理想的な学習習慣をねらう。
(しかし、大抵ねらいが達成されないのも、この課題の持つ問題点である。)
自由研究や工作の場合はどうか。
「長期休みならではの豊かな体験・継続的な活動」
「創造性を育む」
「自由な表現の場」
というあたりでないかと思われる。
本来の目的とは別に、自由研究や工作を「親子のふれあいの場」とも捉えられる。
正直、低学年の子どもが自力で全てやるのは難しい。
「海の生き物を調べたい」となれば、海に連れて行く必要が出る。
写真を撮ったりプリントしたりも手伝う。
まとめ方や書き方も、一緒にアドバイスしながらやる。
本来は「全部自分でやらせればいい」と思うが、理想論であって現実的でない。
授業で算数の問題を解く時と同じである。
自力でどんなに考えたって、わからないものはわからない。
「自律と自立」が基本なので、自力でやれることは極力手を出さないが、やれないことは手伝う。
親と子どもが協力する場となる。
逆に考えると、親が協力できない環境にある子どもには、本当に厳しい課題となる。
どこにも連れて行ってもらえない子どももいるかもしれない。
一緒に課題をやれない家庭もあるかもしれない。
たくましい子どもや要領のいい子どもなら、それでも何とか終わらせるだろう。
可哀想なのは、そうでない子どもたちである。
そういう子どもにとっては、どうしたらいいのかわからないまま、夏休みが終わることとなる。
始業式、夏休みの課題をたくさんの子どもが持ってくる。
中に、忘れる子どももいる。
担任として「忘れました」ならまだしも「やってません」は、「1ヶ月もあったのに!?」と思う。
ここで、一呼吸。
家庭環境に思いを馳せることが一つ。
もう一つは、我が身を振り返ること。
自分自身「夏期休業中にやるべきことは完璧にやれました」と胸をはって言えるか。
自律の力が高い(はずの)大人にだって難しい。
どう対応するか、マニュアルは無い。
ここは子どもによって、多少違いが出る。
ただし芯は「育てる」ことである。
宿題忘れを、予想しておく。
忘れたら、「想定内」の対応。
もし持ってきたら、めちゃくちゃ褒める。
2学期をお互い気持ち良く過ごすために、こんな作戦でいってみた。
(結果、最終的に全員きちんと課題提出が完了し、めでたしめでたし。)
2014年9月15日月曜日
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