2021年11月24日水曜日

潰れることの吸収力と柔軟性

Hondaの創業者本田宗一郎氏の話の中で

「車が提灯のように潰れることで中の人間を守る」

という話がある。


(『本田宗一郎「一日一話」 “独創”に賭ける男の哲学』PHP文庫

https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=4-569-56402-X


外側を頑丈に作ってある外国車との比較としての、自社の車の安全設計についての話である。


「潰れることで衝撃を吸収する」という柔軟性や吸収力が大切ということである。

今では技術が大幅に進歩し、エアバッグ他がこの役割を果たしてくれている。


潰れて衝撃を吸収するという発想はとても大切である。

そうでないと、中の人間にダメージが直接全ていってしまう。


今、不登校の数が過去最大ということで、問題になっている。

不登校は、学校としては悩ましい問題である。


これは、学校という公のものさしで測った時に、大きな問題なのである。


一方で、子どもの視点からすると、不登校は大切な選択手段でもある。

登校したくない原因(あるいは家にいたい理由)があって、それを選択している。

より大きなダメージを軽減するための選択とも考えられる。


これは、個人のものさしで見て、自分なりの選択をしているともいえる。


無理矢理連れ出すこともできる。

しかしそれは、個人のものさしを無視した行為である。


過去にも書いたが、不登校自体に人生としての善悪はない。

それが必要な選択ということがある。


社会人だったら、自分の心身を守るために、会社を休むことがあり得る。

会社を優先して本人が壊れてしまっては、元も子もない。

転職や退職が最善の選択肢ということもある。

その会社のために生きるよりも、自分の人生としてやり直せることの方がよほど大切である。


潰れる柔軟性と吸収力は、子ども時代から必要である。

一旦外側が潰れても、中の本体が無事であることが大切である。

人間でいうならば、何よりも大切なのは、生きる気力の方である。


吸収力や柔軟性をもって、しなやかに生きられる方を目指したい。

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