2021年10月8日金曜日

礼儀の本質は「人の心をあったかくする」

前々号で紹介した本からの言葉。再掲する。


『一人ひとりを見つめる子ども研究法の開発』

福山憲市 著  明治図書(1997)

https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-245416-2


この本の144ページに、次の言葉がある。


「礼儀って、人の心をあったかくするね」


保護者が「悪がき三人組と思っていたけど、見方をかえなくっちゃ。」

と「共育カード」というお便りに書いてきたものを受けてからの、福山先生の言葉である。


自分の子どもの仲良しのお友達が家に遊びに来て、(意外にも)礼儀正しく帰っていった。

そこに保護者は感動したのである。


よく

「社会に出たら、礼儀がないと通用しない」

と言って教えることがあるのではないかと思う。

あいさつについても、そう教えるかもしれない。


しかし、本質は違うのではないか。


人の心をあったかくする。

それが礼儀。


この方がずっと素敵である。


あいさつ一つだって、

「やらないといけない」

と思ってするのと

「人の心があったかくなる」

と思ってするのでは全然違う。


福山先生の師である有田和正先生の実践に、プリントを渡す際に

「どうぞ」「ありがとう」

と互いに一言声をかけようというものがある。

(私も毎年必ず実践させてもらっている。)


これも、本質は

「心があったかくなる」

である。


礼儀は大切である。

学級運営が安定している教室の共通点として、礼儀の指導に力を入れていることが多いと聞いたことがある。

「~しなさい」よりも「~するといいよ」と生活を通して自然に教えてあげられたら、なおいい。


礼儀は、人の心をあったかくする。


「何のために」という目的によって、同じ内容を教えるにしても、全く意味も効果も異なってくる。

名人教師の指導の本質、そして人としての在り方をこの一文に見た思いである。

0 件のコメント:

コメントを投稿

  • SEOブログパーツ
人気ブログランキングへ
ブログランキング

にほんブログ村ランキング