2021年4月30日金曜日

求められる役割を演じる

今年度、新しい環境でスタートを切った人も多いことと思う。

 

新しい環境でやるとは、新しいルールでやるということである。

メンバーが変われば、やり方も変わる。


ハードル走にたとえる。


学校でのハードル走の学習だと、いきなり競技用の高さと間隔でやらせるようなことはない。

子ども自身の実態に合わせて、色々と変えて与える、あるいは選べるようにする。

ある意味オーダーメイドの「自分ルール」でやれる。


しかし実際の社会では、ハードルの高さも間隔も選べない。

同じ条件、ルールの上で、平等に競争は行われる。

そこに競技者が合わせる。

「社会ルール」である。

(学習指導要領で内容を定められた学校にも、そういう側面が強くある。)


新しい環境では、今まで通った自分ルールや旧ルールは通用しない。

自分の方が合わせる必要が出る。

新しい自分を演じる必要が出る。


「演じる」というと嘘の自分のように感じるかもしれないが、そうではない。

演じるとはその場で必要な仮面につけかえるということ。

前にも書いたが「ペルソナ」である。

(参考:教師の寺子屋 「ペルソナは集団で決まる」


与えられた役を演じ切ることは、決して簡単ではない。

その役に必要なこと、求められていることは何かを考えて、演じる。


例えば、前年度荒れていた学年の担当で「まず全体を落ち着かせる」が求められたとする。

そうなると、まずルールを通す必要が出る。

子どもたちに自由にやらせるようなやり方は通用しない。

自分の役割としては、毅然と振る舞い、ルールを通すことが優先である。


「子どもたちの心のケア」が優先で求められているとする。

この場合、温かな雰囲気づくりの方が優先で、ルールは最低限以外、だんだんと通していく感じになる。

全体的にゆるめのスタートになる。


「学校にとりあえず慣れて」という場合もある。

異動したてで、子どもたちに対してどうこうではなく、まず自分が周りに教えてもらおうという場合である。


いずれにしろ、気負いすぎるとうまくいかない。

全力を出すには、ほどよい緊張感とリラックスの両方が大切である。

入念な準備と本番を楽しむ余裕という関係である。


異動した人は新天地にきっと緊張しているに違いないが、受け入れる側にも同様に緊張感がある。

ある意味、お互い様である。

お互いが気持ちよく働ける環境を作ろうという思いは共通である。


新しい場で求められていることは何かを考えて、新たな環境を楽しめるようにしたい。

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