今年度、新しい環境でスタートを切った人も多いことと思う。
新しい環境でやるとは、新しいルールでやるということである。
メンバーが変われば、やり方も変わる。
ハードル走にたとえる。
学校でのハードル走の学習だと、いきなり競技用の高さと間隔でやらせるようなことはない。
子ども自身の実態に合わせて、色々と変えて与える、あるいは選べるようにする。
ある意味オーダーメイドの「自分ルール」でやれる。
しかし実際の社会では、ハードルの高さも間隔も選べない。
同じ条件、ルールの上で、平等に競争は行われる。
そこに競技者が合わせる。
「社会ルール」である。
(学習指導要領で内容を定められた学校にも、そういう側面が強くある。)
新しい環境では、今まで通った自分ルールや旧ルールは通用しない。
自分の方が合わせる必要が出る。
新しい自分を演じる必要が出る。
「演じる」というと嘘の自分のように感じるかもしれないが、そうではない。
演じるとはその場で必要な仮面につけかえるということ。
前にも書いたが「ペルソナ」である。
(参考:教師の寺子屋 「ペルソナは集団で決まる」)
与えられた役を演じ切ることは、決して簡単ではない。
その役に必要なこと、求められていることは何かを考えて、演じる。
例えば、前年度荒れていた学年の担当で「まず全体を落ち着かせる」が求められたとする。
そうなると、まずルールを通す必要が出る。
子どもたちに自由にやらせるようなやり方は通用しない。
自分の役割としては、毅然と振る舞い、ルールを通すことが優先である。
「子どもたちの心のケア」が優先で求められているとする。
この場合、温かな雰囲気づくりの方が優先で、ルールは最低限以外、だんだんと通していく感じになる。
全体的にゆるめのスタートになる。
「学校にとりあえず慣れて」という場合もある。
異動したてで、子どもたちに対してどうこうではなく、まず自分が周りに教えてもらおうという場合である。
いずれにしろ、気負いすぎるとうまくいかない。
全力を出すには、ほどよい緊張感とリラックスの両方が大切である。
入念な準備と本番を楽しむ余裕という関係である。
異動した人は新天地にきっと緊張しているに違いないが、受け入れる側にも同様に緊張感がある。
ある意味、お互い様である。
お互いが気持ちよく働ける環境を作ろうという思いは共通である。
新しい場で求められていることは何かを考えて、新たな環境を楽しめるようにしたい。
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