2015年2月17日火曜日

思い出の校長先生

前号で、「職員を守ってくれるのが管理職」ということを書いたので、そこに関連した話。

何か、管理職に対して批判的な感じを受けた方がいるかもしれないが、その逆である。
私自身は、自分が管理職の先生方に守ってもらった経験が何度もある。
現在も含め、管理職の先生に恵まれてきたので、ここまで色々やれた。
(だからこそ、そうでないという人の話を聞くと、本当に切なくなる。)

私の一番の長所は「運がいいこと」で、特に人との出会いに関する運は抜群にいい。
これを「人運」と勝手に名付ける。
職場でも外でも、素晴らしい人にたくさん出会って、かわいがってもらっている。
本を出せたことなど、私の「人運」の良さを象徴していると思う。
(本は、素晴らしい実践があるとか、出したいという思いだけでは出せない。
 人様が運んでくれる縁で初めて実現することを知った。)

私には、特に思い出の校長先生がいる。
木實誠先生という。
拙著「やる気スイッチ押してみよう!」で、朝のあいさつのエピソードの中に出てくる校長先生である。
既にご逝去されてしまったが、私にとっての一生の目標となる校長先生である。
(逆に、他にもたくさんお世話になっている先生方は、どの方も元気にご活躍中なので、今回は敢えて紹介しない。)

この校長先生は、とにかく大きい方だった。
特に若手には、新しいことにどんどんチャレンジさせた。
「やりたいようにやれ。責任は俺がとる。ただし、危なかったら止めるから。」
このように言われて、やる気が出ない若手職員はいないのではないかと思う。
ベテランの先生方も、若手の指導に本当に熱心で、あれこれ口出しするというより、上から大きく見守る雰囲気だった。
事実、「生徒指導困難校」に指定されるぐらい荒れていた学校が、どんどん上向きになっていった。
やがて、その校長先生が退職された後にも「あの学校に異動したい」という声も上がるぐらいになっていった。

そして、当時荒れている学校らしく、保護者や地域からの苦情が多かった。
これも、職員に対しての苦情の場合、管理職か事務職員の先生が誠実に対応して捌き、
「これこれこういうことで、こう伝えておいたからよろしく。」ということが何度もあったようだった。
(事務職員の方がこれをしてくれるというのも、すごいことである。)
担任に、余計なエネルギーを使わせないのである。
その代わり、担任のエネルギーの全てを「子どもたちに全力で向き合うこと」に使うよう求められた。

そういう一面「過保護」なぐらい恵まれた環境にいたため、あらゆる人に「お前はきっとこの先苦労する」と言われた。
しかし「憎まれっ子世にはばかる」で、この後も何かといい思いをさせてもらった。
自由にやらせてもらえたからこそ、今のエネルギーがあると思っている。
(そろそろ、大きな修行期が来るのではないかと、内心びくびくしている。)

要は、管理職のチームワークで学校は8割決まるという実感である。
自分のがんばりももちろんあるのだが、やはり管理職の先生の力は大きい。
良い校長、教頭に恵まれたら、どうやってもいきいきと働かざるを得ない。

もし現在不遇な方がいたら、それは一時的なものだと言ってあげたい。
管理職の先生は本来、学校職員を守ってくれる一番頼りになる味方である。

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