2023年10月14日土曜日

誰も救わない優しさに『不親切教師のススメ』

 「食事を抜いても読書は欠かさない」というぐらい、読書を大切にしている。

(単に好きなだけである。)


当たり前だが教育関連の書籍は否が応でも読む機会が多くなる。

また放っておくと、哲学的なものやドキュメンタリーなどにいきがちなので、小説も意図的に読むようにしている。


小説だと、毎年の本屋大賞の本は読む。

2023年の本屋大賞受賞作品である、次の本を読んだ。


『汝、星の如く』 凪良ゆう著 講談社


小説を読む時は、特に心に残った台詞や文章を書き留めておくようにしている。

今回は、次の言葉がメモされていた。


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愛と呪いと祈りは似ている


それは誰も救わない優しさだよ


捨てると選ぶは、意味が違うのに限りなく近い

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選んだ言葉を見返すと、共通項が見える。

自分の心の琴線に引っかかる何かがわかる。


今回のものを見ると

「真逆なようで同種」

「表面的な意味と本質的な意味が真逆」

という共通項が見える。

自分が最近感じている教育観のテーマでもある。


『不親切教師のススメ』もこれなのである。

一見親切なことが本質的には不親切。

不親切なように見えて、本質的に親切。


『不親切教師のススメ』でやめようといっている親切とは、まさにこの「誰も救わない優しさ」である。


それは「愛」なのか「呪い」なのか「祈り」なのか。

「あなたのためを思って」の本質を問いたいのである。


『捨てる!仕事術』(明治図書)という本を書いたことがある。

この本のメッセージの本質も「本当に大切なことをやるために、捨てる」である。

『不親切教師のススメ』のメッセージも、本質的には同じなのである。

不要なことをやらないという決断は、やることの主体的な選択ともいえる。


魂レベルでやりたくないこと、やるべきではないと思っていることを、仕方ないからやる。

それは、じわじわと魂を毒殺する行為である。

本当は要らない、むしろ有害だと思っているのに、「みんな」や「常識」「慣例」に合わせてやっていることはないだろうか。

そういうことへの疑問を常にもつのは、結構大切なことだと思っている。


愛、呪い、祈り。

誰も救わない優しさ。

捨てると選ぶ。


全ては、バランスである。

一見真逆なものを両立させることで、バランスがとれる。


哲学的な話になってしまったが、教育にとって本質的に大切なことである。

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