2020年7月4日土曜日

学級の状態がわかる3つのポイント

他学級の参観でも何でもそうだが、学級の状態をはかるのにわかりやすい指標がある。

あいさつ。
歌。
掃除。

この3つである。

共通していることは何か。

それは、他者貢献の視点である。

あいさつは、自分のためではない。
元々、敵味方が入り混じる社会で、相手に警戒心を抱かせないために作られたものである。
「私はあなたの敵ではありません」ということを示すためのものである。

つまり、相手のためである。
それが巡り巡って、結果的に自分のためになるというだけである。

あいさつがまともにできない。
なぜなのか。

性格が悪いから。
そんな訳がない。

要は、そういう習慣になっていないからである。
あいさつをしなくても困らない、教えてもらえない環境にいるからである。

実は、掃除と歌と同様に、多くは集団の状態に規定される。
周りがどういう雰囲気、空気なのかが、ここに反映されるのである。

当たり前レベルが低いと、どれもやらない。(やれない。)
あいさつできない。
歌えない。
掃除しない。

ダメな状態の学級がもつ「3ない」である。
この3つができなくて「いい学級」と主張することは、事実上無理である。

これら3つができないのは、自分軸で生きているからである。
自分さえよければいい。
そして、逆に自分がはみ出てはいけない。
危険だからである。
最もつまらない、下らない集団である。

だからといって、あいさつ運動などであいさつを「させて」もダメである。
自然とやれる、やらないと気持ち悪いという状態を作らないといけない。

環境である。
あいさつが当たり前という雰囲気、常識づくりである。

どうやってその環境を作るのか。
それは、人である。

どんな集団にも、優れた人物というのはいる。
誰に対しても笑顔で接し、相手を慮り、自分は大変な役を進んで引き受ける。
このタイプの人物は、集団の状態に関係なく、あいさつもできるし、歌も歌えるし、掃除も真面目に楽しくやれる。
そういう人物(子ども)をまずは見抜き、認め、そこから広げていくことが大切である。

逆に、声が大きく自己主張が強い人物に先に注目してしまうと、自分軸の集団が進む。
(こちらの方が目立つので引っ張られやすく、流されやすい人は要注意である。)
こちらのタイプの人が本当に生きるのは、集団が自分軸でなくなってから、更に殻を破る段階になってからなのである。

周囲を思い遣って、譲ったり黙ったりを子どもが自分でコントロールできる状態を優先していく方が、集団としては確実に伸びる。
担任の仕事としては、まずは安全・安心を作って、互いを思い遣れる環境づくりからである。

あいさつ、歌がまともにできないのは、声を出すのが安心ではないからである。
ここから変えていく必要がある。

掃除がまともにできないのは、自分軸だからである。
無欲の他者貢献の気持ちよさを、学習していく必要がある。

あいさつができるようにしたい。
しかし「AさせたいからAの指導」では、だめである。

本質的に何を指導すべきか。
まずは、安全・安心という状態を、担任自身が集団へ担保する。
そこからすべてはスタートである。

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