2020年4月26日日曜日

無自覚の潜伏期間の恐ろしさ

今回のウイルスの脅威がかなりの長期間、おさまりそうにない。
ウイルスそのものの存在意義や歴史について気になり、次の本を読み返してみた。

『文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 』
草思社文庫 ジャレド・ダイアモンド 著 倉骨彰 訳
https://www.amazon.co.jp/dp/4794218788

この本に書いているのが、ウイルスというのは、生物と同じでどれも子孫繁栄のための策略をもっているということである。
特に拡大が爆発的になるのは、一般的な風邪やインフルエンザのように、咳やくしゃみを伴うもの。
いわゆる飛沫感染という策略である。
集団内に効率的に広がる。

さらに、突然大流行する感性症の特徴として、「進行が急性」という点がある。
一旦病状が出ると、短期間で感染者は死亡するか、完全回復するかというどちらかになるという。
そしてそのウイルスへの抗体を持ったものは、今後一生同じ病気にはかからない。
はしか、風疹、おたふく風邪、百日咳、天然痘などにも、共通の特徴であるという。
見返すと、今回のウイルスにも完全に当てはまっている。

以下は、本からではなく、私見である。
本ブログの中心テーマである、学級経営と関連すると考えて書く次第である。
(私は医療の専門家ではないが、その分野に関しては専門家である。)

病気の中で怖い、厄介だと思われる要素を、思いつくままに考えてみる。

1潜伏期間が長い
2感染力が強い
3病状が重い(致死率、後遺症等)
4治療法が見つかっていない、あるいは症状を緩和できるが根本的には治らない

今回のウイルスは、これら多くが当てはまる。
恐ろしい病気の筆頭であるがんは、ウイルス性ではないために、「感染力がない」という一点だけが全く違う。
感染力の有無は、社会的脅威においての重要な要素である。

そして今回最も厄介なポイントは、この「潜伏期間」である。
長引くのも、治療法が見つからないこと以上に、この潜伏期間によるものが大きい。
感染力という要素と潜伏期間が長くあるという要素の組み合わせは、非常に厄介である。

潜伏期間が長いと厄介なのは、感染後の自覚症状が全く出ないことである。
感染してすぐ発症し、病状が悪化するのなら、外へは広がらない。
その場合、感染した本人が気付き、日常行動をとれなくなるためである。

この「自覚症状がない」というのは、何事においても厄介である。
一見何もないように見えるので、症状が内部で悪化していることに気付けない。

ここが、教育、あるいは社会においてもいえることではないかと考えた。
一見すると、何もすぐに症状が出ないために、無自覚に取り入れ続けてきてしまったもの。
長期にわたって感染し広がり続け、ずっと後になって病状が出てきたもの。
あるいは、それに適応したもの。

潜伏期間は厄介である。
感染していることに気付けず、気付かず蝕まれ、広めてしまう。

2020年は、これまでの生活習慣をはじめ、あらゆることを見直す時期に来ているといえる。

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