今回は「まぐまぐニュース」に記載された記事の原文。
http://www.mag2.com/p/news/357391
一年生を見ていての気付き。
十年以上前に、衝撃的な一年生に会った。
ジャングルジムの一段目に上れない子どもである。
なぜなのか。
理由は明確であった。
この子どもは、両親が働いていて、ずっと祖母が面倒を見ていたという。
祖母という立場は、大事な孫を親の代わりに預かっている以上
「絶対ケガをさせないように」
ということを考える。
どうしたか。
一切、外で遊ばせなかったのである。
室内でも、一切の危険から遠ざけて育てた。
よって、守られている限り、一切のケガをしなかった。
その代償として、一切の危険から身を守る術を奪われていた。
その子どもにとって、ジャングルジムの一段目から落ちることは、未知のとてつもない恐怖である。
バランスを崩して、頭を打ち付ける可能性がある。
その子どもにとっては、外を走り回ることも、転んで顔面に大ケガをするというリスクを背負う行為である。
いつも言っているが、リスクを避けて行動し続けないことが、最もリスクが高い結果を招く。
小さなケガの積み重ねが、大きなケガを防いでくれる。
自転車に乗るために練習で転びまくるから、すいすい乗れるようになるし、スピードが出ている時にも上手に転べるようになる。
小さな諍いの積み重ねが、大きなトラブルを解決する力を与えてくれる。
小さな嫌なことやけんか、いじめのような体験を通して、克服している経験が、大きなけんかや、陰湿ないじめをも解決する力を与えてくれる。
グラウンドで動き回る一年生を見ていると、よくぶつかる。
走りながら、前を見ていないのである。
しかし、同じ広さのグラウンドでも、二年生になると、よけるよける。
慣れているのである。
転び方もうまくなっている。
ここまで、しっかりぶつかって転んできている成果である。
保健室には迷惑をかけることを、予めお詫びしておく。
少しの間小さなケガで多めに来ることをお願いしておく。
それが、将来の大きなケガを防ぐからである。
小さなケガやトラブルを経験させておく。
大人が先回りして解決しすぎない。
かわいい子には小さなけがをさせよ。
変化の多いこの世の中を生き抜ける、たくましい子どもを育てたい。
2018年5月29日火曜日
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