2014年5月23日金曜日

応援係の指導ステップ10

メルマガ上で応援指導についての記事を発信中。
いつものペースでアップすると運動会シーズンが終わってしまうので、こちらにも先に掲載。
元々2号分なので長いのはご容赦を。

応援係指導のやり方が、人によってかなりまちまちであることに気付いた。
教科書や指導書がないのだから仕方ないが、ある程度マニュアル化されていると、工夫もしやすいのではないかと思う。
よって、自分なりの「応援係の指導ステップ10」を公開してみる。
(大したことは書いてなく、分かっている人には当たり前のことばかりである。
ただ、初めて応援係を指導する人には役立つと思う。)

1.心構えの指導
最も大切なのが心構えの指導なので、最初に行う。
農業で言うと土づくりの部分に当たる。
土で野菜の出来が決まる。

指導すべきは「応援係とは何なのか」ということ。
間違っているのは、自分が目立ちたいという思い。
それは別のところへ行ってやってもらう。
応援係とは全校児童に応援を教えるのが第一の仕事である。
その上で、自分達の動きを考えればよい。
放っておくと、自分達の派手な動きばかり考え、全体の動きが忘れられがちである。
本来の重要な役割を自覚させる。

さらに「人は口だけの人には教えられたくない」ということも指導しておく。
リーダーとして前に立つからには、生活態度から改める必要がある。
普段人の話を聞けないと思われている人に、「話を聞け」と言っても誰も聞く訳がない。
「声を出して」と言っている本人が出ていないでは、話にならない。
掃除などを一生懸命やる、ルールを守るといったことについても同様である。
リーダーとしての言行一致が求められる。(教師にも当てはまる。)

2.立ち方の指導
姿勢は大切。
肩幅の2倍程度に開く。
腰骨は立てる。
腕は後方、手の甲を腰に当てて組む。(腰より下げない。)

3.声の出し方の指導
「声が出る」というのは、応援係に立候補した時点でクリアしているべき項目である。
ここでは応援用の「より良い声」を出すための指導をする。
腹の底から声を出す。
顔は斜め上方に向けることで、腹の底からまっすぐ声を出しやすくなる。
口は当然、目一杯開ける。
声を出す時にはひざを深く曲げる。
頭のてっぺんから足の裏まで全身を使って声を出す。

4.動きの指導
静と動にメリハリをつける。
流れるような動きにしない。
止まるところは止まる、動かす時は素早く動かす。
そして、指先までピンと張り、目一杯動きを大きく見せる。
「空間」を最大限に表現する。

5.表情の指導
「応援係は顔が命」と教える。
別にイケメン、美女軍団になれという訳ではない。
顔を引き締めろということ。
口元をきゅっと結び、目は一点を「ギン」と見つめる。
特に大切なのは「目力」。
とかく応援は「声」と勘違いしがちだが、合唱等と同様に、全身のパフォーマンスであることを確認する。

6.基本の型を一つ徹底する
様々な応援を考える前に、まず一つを徹底する。
いわゆる「フレフレ」である。
大声を出せて、基本的な動き(腕から指先までピンと伸ばす)等が指導しやすい。
この基本がきちんとできるようなら、他の応援は自然にできるようになる。
だから、基礎をきちんと固める。
間の取り方や声の出し方、スピード等を指導する。
表情や立ち方もここで再確認し、統一する。
ここで教えたことを、応援係は後で全校児童に指導することになる。

7.応援歌を作る
応援歌は、歌いやすくてみんなが知っている曲を選ぶ。
その場で「考えよう」だとすぐ出てこないので、宿題にして一人一案持ってこさせる。
その中から、良いものを選べばよい。
原案の歌詞がうたいにくい、内容が不適切な場合は、相談して改めて決定する。
時間の節約の為に、教師が一時預かりして選別してくるのも手。

8.他の応援を作る
これも一人一案、宿題にする。
選ぶコツは「声が出しやすい」、「やってて楽しい」または「かっこいい」こと。
CMや流行モノをちょっと取り入れるのもいい。(お笑いは人気。)
オリジナリティを存分に発揮させたい。
どうしても出ない場合のみ、教師から提示することもありえる。(基本的に必要ない。)

9.組み立てを考える
いくつか作ったものを、どの順番で組み立てるのか。
制限時間内におさまるよう、速さの調節も必要である。
応援と応援の「つなぎ」もここまでに考える。
「つなぎ」は隊形移動の時間かせぎでもあるので、短すぎても長すぎてもいけない。

10.応援係の動きを考える
ここまで考えた応援の動きは、全て「全校児童の動き」である。
まずそこを作れば、安心である。
各学級で練習してくれる。
逆に、ここを変更するとなると、伝達にかなりの手間がかかる。
応援係自体の動きは、前日に変更しても大丈夫。
それぐらい自由度の高いものであるので、本当に後回しでよい。
また、応援係が一番楽しみにしている部分でもあるので、最後までとっておくという意味もある。
側転でも騎馬でも組体操でも「EXILE」でも派手にやりたいようにやらせればよい。
ただし、安全面にだけは絶対留意する。

以上の10ステップ。
ちなみに、「宿題」が多いのだが、応援をその場で考える時間はない。
全体の場は、あくまで「合わせ」の場である。
個人でじっくり考えるのは、家で一人の時の方が良い。
私はよく、朝の日直のスピーチでも「みんなの前に立つ1秒は30秒の価値」などと教える。
応援係が集まる貴重な時間に、個人活動は無駄である。(学校での各種会議でも同様。)
まして、全校児童の前に立つ時には、1秒の価値が100倍以上になる。
「気合いを入れて立て」と指導する。

なお、今年度作った応援については、ビデオにとるなどして記録しておいた方がよい。
(私は、映像を見直すのが面倒な質ので、文書化して保存している。)
必ずまた指導する機会が来るからである。
(そして、数年経過しているので忘れているのが常である。)

少しでも参考になれば幸いである。

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