大縄や8の字跳びに取り組む先生に多い悩みの一つは「記録が伸びない」ことである。
途中までは順調に記録が上昇するのに、ある日を境に突然伸び率が悪くなる。
今まで通り練習しているのに、なぜ伸びないのだろうと悩む。
これは、実は何も問題ない。
最初の内順調に伸びるのは、そこまではやり方がめちゃくちゃだったからである。
どう縄を回すかさっぱりわからなかったのが、やがて一応のやり方に落ち着く。
どう跳べがよいのか、どう並べばよいのか、どう声を出せばよいのか。
そういう基本的な部分の方法を覚えて、型通りになるまでは伸びる。
つまり、伸びなくなったところが、今持っているとりあえずの実力といえる。
「地力」といってもいい。
それぐらいの能力はもともとその学級の子どもたちに備わっていたといえる。
通知票の成績と同じで、1学期から3学期で多少の上下はするが、自分の実力に近い評定がもらえる。
そしてその状態に達した後に、やり方を少し工夫していくと、今度は伸びないどころか記録が落ち始める。
これも何も問題ない。
今の殻を破るために新しいやり方をすれば、一時的には確実に記録が落ちる。
新しいやり方が技能として定着してくれば、今度は嘘のように一気に記録が上昇する。
記録が伸びないと悩んでいる時に問題があるとすれば、
「現在のレベルに適切なやり方を教えないまま、記録だけを目標に取り組んでいる」
という状況である。
それは指導不足である。
見極めないといけない。
自分のやっている方法に自信を持って指導し、それを続けていくこと。
それを時々人に見てもらえば、不備・不足・不十分も分かってなお良い。
見た目には結果がすぐに出なくても、信念を持って取り組み続ける。
冬の桜と同じで、春の開花に向けて根を伸ばしていると思えばよい。
焦らず、諦めず、そして何より「楽しんで」取り組みたい。
2014年2月22日土曜日
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