2020年12月25日金曜日

働きたくない職場をどう考えるか

前号では,働けることへの感謝について書いた。

しかしながら、そうは思えないという場合の方が一般的ではないかと思われる。

次のようなニュースが報じられていた。

「公立校教員の精神疾患休職が過去最多 業務の増加、複雑化が一因か」産経新聞

https://www.sankei.com/life/news/201222/lif2012220037-n1.html


今号では現実的に、仕事に感謝できない時を考える。


次の資料を参考にしてみる。

平成30年労働安全衛生調査 【労働者調査】1 仕事や職業生活における不安やストレスに関する事項

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h30-46-50_kekka-gaiyo02.pdf


この調査で「強いストレスとなっている感じている事項がない」を選んだ人も41.7%いる。

半分近くは、特にストレスを感じていないということである。

仕事に対しては、二極化が起きていると考えられる。

だとすれば、色々と話が噛み合わない訳である。


この調査で「ストレスを感じている」と答えた人の中の、要因ワースト3の順位をつけてみる。

1位 仕事の質・量(59.4%)

2位 仕事の失敗、責任の発生等(34.0%)

3位 対人関係(セクハラ・パワハラを含む)(31.3%)


こういった各種ストレスを感じている以上、感謝することは難しいと思われる。


仕事にやりがいが感じられないのに、感謝することはできない。

仕事量が多すぎて毎日納得いかない残業続きでは、感謝することはできない。

その仕事で失敗できない、責任をとりたくない状態では、感謝することはできない。

人間関係で悩みをもっているままで、感謝することはできない。


要は、仕事に素直に感謝するには、あまりに障壁が多い。

勤労感謝の日が、たまには慰労して欲しい日になってしまいかねない。


より良い職場づくりがカギである。

そのカギを握るのが「上司・同僚」の存在である。

先の調査においても、職場における相談相手はもっぱら上司・同僚である。

(それ以外では、当然ながら「家族・友人」である。)


職場の同僚性が良ければ、職場ストレスの問題の多くは解消される可能性がある。

即ち、逆も然りである。

職場の同僚性が悪ければ、些細なこともストレスになり、大問題となる。


自分の守備範囲としては、学校現場における職場の同僚性をどう高めるか。

ここが関心事の中心である。


職員間、特に学年間の「無関心」と「過干渉」の両極端二つが、ストレスになり得ると感じている。

一方その中間にある「緩くつながっている感じ」は、働きやすい。


緩くつながるための仕組みが必要である。

自分の学級だけになれば、他に無関心になる。

他学級まで自分のやり方に染めようとすれば、過干渉になる。

自分の役割・範囲をきちんともちつつ、周りにも関心をもって仲間の守備範囲にもサポート・カバーできる仕組みが必要である。

野球やサッカーの守備と同じである。


隣の学級のことをどれぐらい知っているか。

隣の学級の子どもの顔を見て、名前を全て言えるか。

隣の学級に自然に入れるか、あるいは隣の学級の担任が自然に自分の学級に入ってこられるか。


こういったことが意識されるようになれば、同僚性は高まる。

学級担任が自分だけで責任を抱え込むようでは、ストレスがたまるばかりである。

学校には、同僚性が高まる仕組みが必要である。


仕事に感謝できるようになる。

そのためには、職場の仲間が互いに関心をもつ仕組みづくりが優先であると考える。

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