2020年5月6日水曜日

怒りの壺

今、役に立つかもしれない過去記事の再投稿。


夏休み中、家に子どもがいることで、つい怒りやすくなっていた気がするという母親の皆様方に向けて。

「アンガーマネジメント」という言葉が割と一般化してきた。
怒りの扱い方スキルである。
仏教を初め各宗教でも、怒りの扱い方は古今東西の重要テーマである。
怒りというのは、人生全般における真剣な問題なのである。

以下は、私の怒りに対するオリジナルイメージである。

怒りの壺がある。
(ちなみに「努力の壺」という有名な話に思いっきり着想を得ている。)
これは、一日の中でたまる。
朝目覚めた時点では空っぽのゼロスタートである。

壺なので、外からは表面的には見えない。
イラッとすること、怒るようなことがあっても、怒らないこともある。
しかし壺には確実にたまっていく。

壺のサイズは、環境で変わる。
身体的な不快を感じると、壺自体が小さくなる。
忙しいなど心理的な不快を感じると、壺自体が小さくなる。

一度溢れたら、次から少しでも溢れ続ける。
些細なことでも怒りとして表出する。
子どもが言うこと聞かないでイライラして溜めた分のあおりを、帰宅した夫が全部食らうのも、古今東西の世の常である。

ただし、ひっくり返すほど思い切りこぼした場合は別で、またしばらく溜まるまで我慢できる。
その間、本人は「怒りすぎたなぁ・・・」と反省している状態である。

壺には下の方にごく小さな穴が空いていて、少しずつだが自然に流れ出ていく。
たまったのが少量であれば、何事もなく一日が終わる。
そして、一晩経つと大体空になる。

そんなイメージである。
自分なりにイメージをもつことで、怒りにくくしたい訳である。
防げる要素は防ぐ。
そして、防げない事態があることもわかる。

周りの人と接する時にも、そうだと思えばいい。
つまり、相手の壺のたまり具合によっては、些細なことで怒る時もある。
普段が穏やかな人でも、壺にたまっていれば別である。
「触らぬ神に祟りなし」で、場合によっては話しかけないのが吉である。

朝一番に、生徒指導についての問題が入ることは結構ある。
前日の夜に問題が発覚した、というような場合は、これが起こり得る。
朝からマイナスの指導である。

この気分の最悪さは、ほぼ全員の学級担任が知っていると思う。
この一発の指導で、一日がダメになることが結構ある。
なぜなら、朝一に壺の半分以上がたまるか、あるいは溢れてしまうからである。

子どもにとっても、この日に良からぬことをしたら、一発で逆鱗に触れる可能性がある。
つまりは、学級というチーム全体、あるいは家族全員で、担任や親の怒りの壺にせっせと溜めているイメージである。

怒るなといっても無理である。
子育て中の母親に「怒らず優しくしてあげてください」とアドバイスするぐらい無理な話である。
怒ってしまう仕組みをわかっている方がよい。

それでも怒りが溢れた時の最善策は、その場を離れることである。
言いたいことが百あるのは承知の上で、とりあえず部屋を出ていってしまうことである。
涼しくて一人になれる場があれば一番いい。
文字通り、クールダウンできる。

あまりにも湿度と気温の高すぎる環境はダメである。
政府が先導して全国の学校にクーラーを配備しようとする動きは、理に適っている。
子どもとて、環境によっては怒りやすくなるし、集中力が切れる。
特別な支援が必要な子どもたちなら、尚更である。

怒らない環境づくりが大切ということで、書いてみた。

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