2018年1月3日水曜日

子どもに良い思い込みをさせる

新年は、色々な人に会う機会が増える。
親戚や知人の子どもに会って、お年玉をあげたり、一緒に話したりする機会もあるだろう。
そんな時に注意したいことがある。

何かというと、子どもは、お年玉も冗談も額面通り受けとるということである。

どういうことか。

お年玉は、渡した金額の通り受け取るのが普通である。
1000円渡しておいて、本当は5000円渡したいのだけど、ということが通用しないことは誰でもわかる。
普通に考えて、1000円より5000円の方が嬉しいだろう。

冗談もこれと同じで、言った言葉の通り受け取る。
冗談の裏の伝えたいことより、そのまま額面通り受け取るということである。
愛情を込めた冗談のつもりで言ったのに、本当に悪口として受け取るということである。
普通に考えて、馬鹿にされるより褒められる方が嬉しいだろう。

子どもには、大人に通じる冗談が通じないという前提をもつことである。
(本当は、大人もきちんと褒めてもらう方が嬉しい。
 親戚の前で「うちのは何やってもダメで」なんて言われて、妻(夫)が嬉しいはずがない。)

親戚の集まりというと、それぞれの近況の話になることがある。
受験生がいるなら逆に気を遣って話題にならないかもしれないが、時に学校の成績の話になったりもする。
親としては自慢するのも気が引けるので、「私に似て出来が悪くて」などといった謙遜をするかもしれない。

ここである。
親が「私の出来が悪い」のは構わないが、子どもを巻き込んではいけない。
子どもは、そういう冗談からも「自分は出来が悪い」と捉える。
他人が同意しようものなら、その疑いは確信に変わる。

昔はよく幼子に対し「お前は橋の下で拾われた」などという冗談を言ったという。
これは、よくない。
私の母も、幼い時分に親戚の誰だかに突然言われたことがあるそうで、ひどく動揺して泣いたと言っていた。
冗談でも、実は深い心の傷になっている。
(何をねらった冗談なのか、未だに不明である。)

逆に考えると、子どもは褒められた通りに受け取るのだから、褒めた方が良い。
「あなたはお母さん似ね」と言われれば、否定したい気持ちをもちつつも、そうなのかなと思う。
そこに「優しいところもお母さんそっくり」と言われたら、悪い気もしない。
一人ならともかく、複数にそう言われたら、確信に変わる。
優しいという自己イメージをもった子は、人付き合いに対し前向きな姿勢をもつようになる。

子どもに対しては、人前でその子の良い点以外は言わない。
また、親の謙遜にも同意しないことである。
子どもは、冗談をそのまま受け取り、褒めたことも、素直に受け取る。
どうせなら、良い思い込みをさせることである。
学校でもそのまま適用できる、使い方要注意の教育の原則の一つである。

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