2019年8月3日土曜日

セミナーも主体的・対話的で深い学びに

先日、友人が出版記念セミナーを開いてくれた。
(新刊といっても出たのが今年の頭なので、半年近く経った後だが。)
参加者は友人の一部の声かけだけで集まった方々である。
そして出版セミナーを冠している割に、私の本の話ではなく、参加者の悩みの解決を中心に行った。

これが、とてもよかったので、学びをシェアする。

ちなみに、私の話が良かった訳ではない。
参加者全員で悩みを解決する、というクラス会議に近いスタイルで行ったからである。
こうすると、たくさんの解決方法が出る上に、主体的・対話的に学ぶことができる。
あくまで「対話」であり「議論」ではないので、相手の話をよく聞いた上で前向きな提案をしていく。
(これは実は、木更津技法研で長らく野口芳宏先生がとっているのと同じ形の学習スタイルである。)

この会で、たくさんの話題と解決策が示された。

例えば「専科の先生の授業の時に子どもが騒ぐ。担任が入ると落ち着く。」といったケース。
「相手によって態度を変える問題」として、対話が行われた。
「あるある」な話であり、これを解決してきた経験のある人もいる。

参加者のお一人から
「子どもに専科の先生の授業の感想を書かせ、専科の先生に渡す」
という実例のアイデアが出た。
もちろん、いいものを渡すのである。
騒ぐ子ばかりではなく、中には、専科の先生の授業をとても楽しく受けている子どもが存在するからである。

そうすると、専科の先生の子どもの見方が変わる。
それにより、子どもも変わる。
+の相乗効果が生まれる。

つまり、担任がコーディネーターの役を務めるということである。
子どもの監視役でもなく、専科の先生に改善を求める役でもない。
子どもと専科をつなぐコーディネーター。
素敵な発想である。

コーディネーターとしての力。
これこそが、これからの学級担任に必要とされる力である。
学級担任が全知全能の存在として全てを授けるのではなく、子どもと周りをつなぐ役割をもつということである。
そうしている内に、やがて、担任の力を必要としなくなる。

これは一例だが、こんな話題がいくつも続いた。
一応それぞれにコメントしたものの、私の方が勉強になったぐらいである。

授業もセミナーも、一人からその方法の全てを学ぶ、というスタイルは、終焉を迎える時期に来ているのではないか。
これからの学校で教えることは、答えが一つのものばかりではない。
だからこそ、仲間との協働で多様な解を求めることがより必要になってくる。
大学入試の問題もそのように変わってくるはずである。

主体的・対話的で深い学びは、形の話ではない。
教育観と哲学の話である。

素晴らしい学びの機会をくれた友人と、その仲間の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいである。

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