2019年8月19日月曜日

合意形成の条件

千葉大附属小の公開研究会での学び。
合意形成について。

学級会のような話合いでは最終的に合意形成が必要になる。
この合意形成をどうするか、というのが公開研究会でも話題になった。

ここについて、講師の赤坂真二先生からアドバイスがあった。
合意形成が成立するための条件として、良好な人間関係がある。
これがない状況においての多数決は、逆に悪い結果を生むという。

以前にも「多数決は少数派を排除する」ということで批判的に書いたことがある。
多数決の全てがだめな訳ではなく、無思考、無配慮な多数決がだめという訳である。
多数決は一つに決めるための最終手段としては、必要な場合がある。
合意形成による意思決定のための手段の一つである。

極端な例で考えるとわかりやすい。
例えばある会議で、発言力のある人が何か意見を言う。

この職場の人間関係が悪いとする。
そうすると、その人の意見だけで全てが決まってしまう。
多数決をとっても、誰も逆らえないから、賛成に手を挙げる。
他の人の意見は黙殺される。
これは、合意形成とはいえない。
「合意強制」である。

この職場の人間関係が良いとする。
そうすると、建設的な反対の意見も出る。
発言力のある人の意見に対しても、より良い代案を示す。
その上で多数決をとって、仮に自分の意見と違うものが採用されても、納得しているので
「じゃあ、いっちょ協力しますか」ということで折り合いがつき、合意形成がなされる。

また、合意形成に必須のベーススキルとして「傾聴」があげられた。
人の話を聞かないと、話合いにならない。
当たり前のことである。
ここが抜けているまま実践していると、話合うほどより悪くなるという結果になる。

本校の校長からも、特別活動部会の共同提案者として提言があった。
何のためのクラス会議なのか。
そこを見失わないこと。
クラス会議というのは、学級会の話合い活動の中の手法の一つでしかない。
あくまで手段である。

クラス会議は、通常の学級会とは明確に違う点がある。
それは話合いを上手にするための手法ではなく、共同体感覚を育むための手段なのである。
クラス会議の目的は、話合い活動を通しての、共同体感覚の育成である。

だから、やればやるほど、人間関係が良好になるはずである。
そうならないとしたら、何かが間違ったまま進んでいる可能性がある。

合意形成は良好な人間関係から。
学校だけでなく、すべての場においていえる共通事項である。

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