千葉大附属小の公開研究会での学び。
合意形成について。
学級会のような話合いでは最終的に合意形成が必要になる。
この合意形成をどうするか、というのが公開研究会でも話題になった。
ここについて、講師の赤坂真二先生からアドバイスがあった。
合意形成が成立するための条件として、良好な人間関係がある。
これがない状況においての多数決は、逆に悪い結果を生むという。
以前にも「多数決は少数派を排除する」ということで批判的に書いたことがある。
多数決の全てがだめな訳ではなく、無思考、無配慮な多数決がだめという訳である。
多数決は一つに決めるための最終手段としては、必要な場合がある。
合意形成による意思決定のための手段の一つである。
極端な例で考えるとわかりやすい。
例えばある会議で、発言力のある人が何か意見を言う。
この職場の人間関係が悪いとする。
そうすると、その人の意見だけで全てが決まってしまう。
多数決をとっても、誰も逆らえないから、賛成に手を挙げる。
他の人の意見は黙殺される。
これは、合意形成とはいえない。
「合意強制」である。
この職場の人間関係が良いとする。
そうすると、建設的な反対の意見も出る。
発言力のある人の意見に対しても、より良い代案を示す。
その上で多数決をとって、仮に自分の意見と違うものが採用されても、納得しているので
「じゃあ、いっちょ協力しますか」ということで折り合いがつき、合意形成がなされる。
また、合意形成に必須のベーススキルとして「傾聴」があげられた。
人の話を聞かないと、話合いにならない。
当たり前のことである。
ここが抜けているまま実践していると、話合うほどより悪くなるという結果になる。
本校の校長からも、特別活動部会の共同提案者として提言があった。
何のためのクラス会議なのか。
そこを見失わないこと。
クラス会議というのは、学級会の話合い活動の中の手法の一つでしかない。
あくまで手段である。
クラス会議は、通常の学級会とは明確に違う点がある。
それは話合いを上手にするための手法ではなく、共同体感覚を育むための手段なのである。
クラス会議の目的は、話合い活動を通しての、共同体感覚の育成である。
だから、やればやるほど、人間関係が良好になるはずである。
そうならないとしたら、何かが間違ったまま進んでいる可能性がある。
合意形成は良好な人間関係から。
学校だけでなく、すべての場においていえる共通事項である。
2019年8月19日月曜日
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