2018年10月1日月曜日

二択で問う

最近、犬を連れて旅行をするようになった。
そうすると、選べる宿が相当限定される。
恐らく、そうでない状態の1%ぐらいである。

犬連れは、宿的には結構困るのである。
原則「犬連れお断り」である。
そして犬OKの宿では、特別対応がある分、当然割高にはなる。

しかも、犬連れは、移動距離も限定される。
飛行機に乗れないのは大きい。
車移動オンリーである。

犬を預けてくればいいじゃないかと思うかもしれないが、あくまで目指すは「犬連れ旅行」なのである。
置いてくる訳にはいかない。

食事をできる店も限定される。
テラス席である。
当然、屋外なのでクーラーはない。
木陰とはいえ、まあ中に比べたら暑い。
(しかし、健康的な感じもする。)

寄れる場所も限られる。
炎天下のコンクリートの上は歩けない。
ただでさえ、暑さに弱い生き物である。
基本的に、森とか水辺とかになる。
専ら、自然系である。

とにかく、全体的に選択肢が少ないのである。
それで、それは不幸かというと、そうでもない。
気持ちが割り切れて、決定が素早くなる。
いわゆる「意志力」を消耗しなくて済む訳である。
「ま、これでいこう」「なかなかいいじゃない」ということになる。

世の中に色んなものが溢れていても、そもそも候補にすら上がってこない。
条件からはじかれるからである。
ごちゃごちゃしなくて、見やすくなる。

私のように情報過多な状態が苦手な人間は、あんまり選択肢が多いと、それだけでげんなりしてしまう。
どれが本当に良い選択だったのか、何を考えればよいか、わからなくなるからである。
(こういう人は、私以外にもそれなりにいるのではないかと思う。)

世のお母さん方にとって、
「今日の夕飯何がいい?」
とたずねた時、最も困る回答が
「何でもいい」
だろう。
これで作る気をなくすという話もよくきく。

しかし、これは、聞かれる側にとっても、結構困るのである。
あまり良い問とはいえない。
「無限の選択肢から選べ」ということと同義である。

しかも、大真面目に
「じゃ、フォアグラのテリーヌ」
とか答えても、作ってもらえないこと必至である。
結局カレーになるんだったら、最初からそういってくれと思う。
こうして、親子や夫婦の関係が次第に冷えてくるのである。
恐ろしいことである。

だったら最初から、
「ビーフカレーとシーフードカレーどっちがいい?」
と聞けば全て解決である。
問の基本は、二択である。

真面目に、学級に当てはめてみる。

授業がぐずぐずになる時は、大抵、問が悪い。
問が大きく、ざっくりしすぎなのである。
答えの選択肢がありすぎて、方向が拡散しすぎるのである。

先のカレーの例のように、カレーであることは決まった上で、二択で聞くのが基本である。
ちなみに、〇×も二択である。
その上で、なぜそちらを選択したかを問う。
そうすれば、話し合いにもある程度の方向性が定まる。
最初から無限の選択肢から選ばせるから、思考がぐちゃぐちゃになるのである。

結局、何の話だったか。
そう。
選択肢の少ない犬連れの旅行も、なかなか悪くないということを最も言いたかった次第である。

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