2020年4月10日金曜日

新年度の不安を和らげるには

新年度への不安を抱える人のために。

大学院の研究と関連して、教師のストレスや同僚性について研究している。
そうすると、それらの関連研究をたくさん読む。
色々と読み進めていくと、面白いことがわかった。

教師のストレッサーについての研究がたくさんあり、次のようなことがわかっている。

小学校教師の悩みの原因の一番は、子どもとの関係に関すること。
子どもを教える仕事なのだから、当然である。
一方で、ストレスを取り除くための第一要因は、同僚や管理職との関係性。

つまりは、ストレスなく働くには、二つの内のどちらかに対処すればよい。

一つ目は、ストレスの根本原因への対処で、学級経営能力自体の向上。
しかしながら、この能力の向上には時間がかかり、結構難しい。
ある程度の経験年数が必要になる。
初任者の頃から学級経営がうまくいったという話は、きいたことがない。
何十年経っても、日々修行中である。

もう一つは、ストレス耐性の向上で、同僚性を高める方向。
これは取り組みやすい。
とにかくコミュニケーションをとることである。

後輩なら、先輩に教えを乞いつつ、自分のできることを一生懸命にすること。
どんな人でも、そういう後輩に対しては、否が応にも面倒を見たくなる。
自分の先輩にあたる人のことが嫌い、あるいは嫌われている気がするというのは、ストレス対処としては致命傷になる。

自分が経験等で上の立場であるならば、気にかけていることを伝えること。
こちらから気軽に声をかけること。
本人の性格や経験年数によっては、あまり干渉されるのは嫌がるので、その辺りは注意が必要ではある。
同僚のことなど知ったことではないという姿勢は、同僚の学級が荒れる原因となり、ひいては自分自身にそのしわ寄せが及ぶ。

こういうダメな姿勢は、自分の学級自体にも悪影響を及ぼす。
同学年の先生を馬鹿にしたり見捨てたりしているような担任の先生を見て、子どもは何を学ぶか。
子どもは、担任同士の姿勢から、自分たちの仲間へのコミュニケーションの方向性を学ぶ。
当然、自分の学級の子ども同士も、陰口を叩いたり、無関心を決め込んだりするようになる。

つまり、新年度の不安を和らげるためには、自分の準備はもちろんだが、同僚性命なのである。
異動してきたり復帰してきたりする人がいるのならば、当然迎え入れる側が主に助ける立場である。

こんなことを言うのも何だが、初任者の学級は、どうせ「うまく」はいかないのである。
初めてのことへの挑戦なのだから、紆余曲折するに決まっている。
この辺りの「あきらめ」=「明らかに認める」という姿勢が大切である。
初任者は、その上で、全力を尽くすのである。
実習生の初めての精錬授業への心構えと同じである。

だから、初任者の学級でうまくいかないことがあったら、先輩の出番である。
「そんなことは当然織り込み済み」ということで、何があっても(とはなかなか言えないかもしれないが)喜んで助ける。
自分の初任者時代を思い返せばわかることである。
私の初任者時代など、周りのサポートだけで進んでいた感じである。
(当時の本人に、助けてもらっている自覚がなかったのが残念無念である。)

お互いに助ける、助けられるが当然。
できることで返していく。
いつも学級のことで助けてくれる先輩のベテラン先生に、学級のことで手助けしてお返しするのは難しいかもしれない。
でも、そのベテラン先生はPC関係が苦手かもしれない。
そこでお返しすればよい。
肉体労働でも何でも、できることで返せばいいのである。
毎日「おはようございます!」と笑顔で元気に職員室に入ってくるだけで、職員室を明るく元気にすることができる。

この姿勢が、そのまま各学級の子どもに鏡のように反映される。
学年間の先生の協力関係がいいと、子ども同士も良くなってしまうのは、至極当然なのである。

まとめる。
新年度の不安を取り除く方法。
1 自分の考え得る全力の準備をする
2 同僚との関係性を大事にする

不安を取り除くのは、他の誰でもない、自分の行動次第である。

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