今年は1月1日から仕事を始めた。
ここまでもう十分休んだと思ったからである。
これに対し「せわしない」「オンとオフを切り替えた方がいい」という意見があるだろう。
しかし、これは世間が決めた「常識」の話であり、私が決めたことではない。
つまり、いつから仕事をするかということも、自分次第である。
休みたければ大いに休む。
逆にいえば、これ自体も他人に押し付けるものでもない。
家族でのんびりお正月番組を観るのも、海外でゆっくり過ごすのも、全て個人の自由である。
「正解」と思われるものは個人の中にしかない。
「ご一緒に」の当たり前の同一価値観が重視される時代は終わった。
そういう時代である。
ちなみに、仕事というのは、職業としての業務だけを指すのではない。
自らの志に従い行うものは全て「仕事」=「志事」である。
さて、気を引き締めるために、新年最初の読書。
次の本から引用する。
『現代語訳 論語と算盤 』 渋沢栄一著 守屋淳訳 ちくま新書
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480065353/
ご存知、新紙幣の顔である渋沢栄一の本である。
「著」とはなっているが、実際は講演録を編集したもので、さらにそれを現代語訳したものである。
小難しい感じのタイトルと裏腹に、大変読みやすい内容の本である。
この本の最初の章が「処世と信条」である。
ここに書いてあることの柱は、全ては「修身」に辿り着くということである。
あらゆる行為が、自分を磨くということになる。
どう磨くかが大切である。
中でも面白いのが「蟹穴主義が肝要」という主張である。
蟹は、自分の甲羅のサイズに合わせて巣穴を作る。
身の丈を知るということの大切さを説いた表現である。
次は私見。
自分の甲羅に合わない巣穴に入っていたらどうか。
狭すぎれば、動けずにそこで一生を終える。
広すぎれば、外敵に襲われて終わる。
「身の丈を知る」ことで、自分の本分の仕事が全うできるとういうものである。
一方で、いつまでも同じ巣穴に落ち着いていてはいけないともいえる。
外に出て、成長し、甲羅を大きくせよということである。
そうしている内に、巣穴も大きくする必要が出てくる。
やがて、大きな仕事もできるようになる。
蟹穴主義。
自分の身の丈を知った上で、脱皮する機会を伺っていきたい。
2020年2月17日月曜日
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