ある会合で「どの学校も高学年を希望する人が少ない」という話になった。
現役の教諭から教務主任、教頭、校長、退職した方、委員会関連まで、あらゆる立場の人がいた。
全員違う地区、違う職場、違う年齢層である。
その人たちが口を揃えて言った話なので、そうなのかもしれない。
なぜ、高学年の担任希望者が少ないのか。
一言で表すと「大変だから」である。
何が。
学級づくりそのものがである。
低学年は、やたらと教師についてくる。
低学年の大変さは、基本的に「幼さ」に端を発するものであり、大人なら対応できる。
中学年もほぼ同様である。
しかし、高学年は違う。
高学年は、集団の関係性が出来上がっていることが多い。
前年度までに、集団内に強い上下関係ができてしまっている場合もある。
加えて、第二次性徴の平均的始まりの時期であり、猛烈な反抗期の入り口である。
私は、今でこそ低学年の担任だが、それまで高学年担任ばかりしてきた。
希望した訳ではないが、そうなってきた。
(基本、管理職に「お任せ」である。置かれた場所で枯れるかもしれない覚悟である。)
十数年に渡る高学年担任の経験から、困難の一定のパターンが見えてきた。
例えば、高学年女子の「言いつけ」や「相談」は、多くの場合いじめの種を含む。
「正義」の皮を被って、対立する女子に向けて発せられていることが多い。
予め見る目があればわかるが、ないと言いくるめられる。
対応の術を知っているかどうかに成否がかかっている。
また高学年担任の基本姿勢は「子どもの力の信頼」である。
あらゆることに、自力解決を促す。
手を離すのはもちろん、敢えて目も少し離す時期である。
こういったことは、どれも「経験知」である。
汎用性のあるものにすれば、世の中の役に立つと思い、次の本にした。
『お年頃の高学年に効く!こんな時とっさ!のうまい対応』
https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-140623-3
https://www.amazon.co.jp/dp/4181406237
高学年担任に不安のある方、あるいは周りにそういう方がいるなら、ご一読してはどうか。
学年に関わる本は、共有するのもおすすめである。
1冊あれば、みんなで読めるし、共通理解もしやすい。
高学年担任は、対応がわかれば一番やりがいのある、面白い部分である。
2019年5月23日木曜日
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