2019年4月12日金曜日

楽しさと学校ルールを考える

メルマガではバレンタインの日に書いた記事。
(ブログがすっかり2か月遅れになってしまっている。
しばらく発行頻度を上げて追いつかせる必要があるかもしれない。)

幸いにも私は低学年の担任なのであまり心配がないが、高学年担任の時は何かと気を遣う。
(低学年相手には「当たり前ですが、学校にチョコをもってきては絶対にいけません。」で終わりである。)

子どもたち、特に高学年女子や中高生にとって、そもそもの起源や意味とか、学校ルールとかは関係ないようである。
要は義理チョコ、友チョコ、本命チョコの日である。
要は、生徒指導事案が起きやすい日である。

こういう「あまり触れたくない生徒指導」系には、目をつぶるという選択肢もなくはない。
もう大人に近い中高校生相手ならその選択肢もある。
しかし、ここは一つ学習のチャンスでもある。
そして、特に思春期入口の小学生はこれを放置すると、意外なトラブルになることもある。
結果的には何かが起きるかもしれないにせよ、やはり先手をうっておくに越したことはない。

基本スタンスは原則通り「学業に不要なものの持ち込み不可」である。
ここは、崩さない。
ハロウィンと同じである。
学校とは別で楽しむ方法はいくらでもあるので、工夫すべきである。

楽しければ何をしてもいいとはしない。
周りが「みんな」破るから、駄目なことでもやっていいというのは、最も危険な考え方である。

この「みんな」が曲者で、嘘である。
学校のルールに反することにひどく罪悪感を抱いている子どもがいる。
そういう子どもは、クラスに確実に一定数存在する。
そこから「どうしよう」と相談されることがある。
そういう真面目な人を、ルール違反に加担させることになる。
しかも、元が善意のはずなので、ばれて相手を傷つけたくないという負い目から、担任に相談もできないというのがほとんどである。

公然としたルール違反を、楽しさや善意等を盾に通そうとするのは、困る人や傷付く人が出るのでやめた方がよい。
そこは教える。

楽しいことは、ルールの上で行う。
もし不服であれば、ルールを変えるほどの動きをする必要がある。
学校には、クラス会議の場だって、児童会だってある。

学校ルールを変えるほどの提案ができるのであれば、話は別なのである。
そういう動きをする子どもたちに育ったら、学校はもっと面白いことになる。
昔はよく「お楽しみ会」的に保護者を巻き込んでの持ち込み会食などもあったそうだから、本来は不可能ではないはずである。
(恐らく、なくなっていった背景として、アレルギー問題はかなり大きいと思われる。)

逆に、属している集団に正当で明確なルールがある以上、それに従うというのは、最も原則的な指導事項である。
そうでないと、何を教えても無駄ということになる。
そもそものルールを疑うというのは、そのルールのある理由、背景を考える良い機会にもなる。

何はともあれ、とにかく平日のバレンタインというのは、何かが起きる。
どこまで手や口を出すか、あるいは目をつぶるかというのは、個人の裁量にお任せする次第である。

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