先週、他校の校内研修でお話をさせていただいた。
例のごとく、学級経営や仕事術についてである。
事前に校内研修担当の先生が、校内の先生方に、今の悩みや当日聞きたいことについてアンケートをとってくれた。
若手の先生が多いらしく、悩みも具体的である。
多くの方が書いていた悩みがある。
「忘れ物がなくならない」である。
「宿題忘れ」も多い。
これを、どうすればいいのかという悩みである。
「何だこんなこと」と思うかもしれないが、これがなかなか一筋縄ではいかない。
社会人に当てはめると、
「部下が提出物の〆切を守れない」
「やるべきことを先延ばしして、期限になってもできていない。仕事に差し支える。」
といったところである。
この部下の態度・行動をどうにかしようということである。
そう考えると、苦労が少し伝わるだろうか。
「忘れ物」に話を絞ると、解決の方向は大きく二つある。
一方は、忘れ物そのものをさせないようにする方向。
もう一方は、忘れても問題ない状態にする方向。
恐らく多くは、前者の方に力を入れる。
そこで、厳しくうるさく、何度も言う。何度でも言う。しつこく言う。
しかし、忘れる度に小言を言っても、まず変わらない。
「先生に何度も言われて忘れ物が減りました」という話をほとんど聞いたことがない。
あり得るとしたら、忘れたらとんでもなく恐ろしい目に遭うという状況だけである。
あとは、「忘れ物チェック表」による「全員もってくるまで○○」といったような集団の重圧がかかる場合である。
恐怖の回避手段として、忘れなくなるかもしれない。
ただし、その担任の間だけである。
それは、忘れ物をなくしてあげたい先生の本意ではあるまい。
多くの「忘れ物がなくならない」の悩みの本意は、善意から来ている。
「将来この子どもが困るから」という理由である。
だとしたら、恐怖の回避による短期的な解決ではなく、生活習慣の改善のような長期的な解決方法が望まれる。
(「そうではなくて、授業の進行上困る」という場合もある。
この場合、後述する「忘れても問題ない状態にする」手をとればよい。)
一般的に多い悩みであり、ここを考えていくことは有益である。
次号でも考えていく。
2018年1月15日月曜日
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