次の本を読んだ。
『「ありがとう!」があふれる幸せなクラスづくり大作戦』
河邊 昌之 著 明治図書
https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-115815-6
友人の河邊氏の初の単著である。
「感謝」を柱とした学級経営の具体的なアイデアが提案されている。
この本の中に「鉛筆1本活動」という実践がある。
簡単に言うと、もってくる鉛筆を1本だけにするというもの。
落とし物No.1の鉛筆を「落とさないようにさせる」という方向の解決にもっていく。
「たかが鉛筆の落とし物ぐらい」と思うかもしれない。
しかし、鉛筆1本を大切にすることの波及効果はとてつもなく大きい。
実は河邊氏は、単に鉛筆の落とし物をなくそうとしているのではない。
ここから、「ありがとう!」があふれる幸せなクラスの柱を作るのである。
鉛筆が1本しかない。
当然、大切に使うようになる。
その1本がないと書けないので、落としたらすぐに気付く。
大切にすると、名前をつけたくなる。
名前をつけると、捨てたくなくなる。
捨てたくないので、限界まで使うようになる。
どうしても使えなくなっても、捨てずに「学習の足跡」のような形でとっておきたくなる。
(河邊学級では、掲示物として残されるようになる。)
仲間の鉛筆がどれかもわかるようになるので、万一落としても本人にすぐ届く。
さて、ここまでは鉛筆の話である。
鉛筆にとどまらない。
鉛筆を大切にすると、次々と他のものも大切にするようになる。
ものを大切にするようにすると、人も大切にするようになる。
頭と心も使うようになる。
結果、幸せなクラスづくりにつながっていく。
捨てない工夫をする。
それは、無暗に新しいものを使わないということにもつながる。
これは実は「捨てる」ということと同義である。
新しく余計なものを買うという選択肢を「捨てる」からである。
たかが鉛筆一つにこだわることで、クラスづくりになる。
ここがわかっていないと、些細だけど大切なことを落とし、クラスを荒らすことにもなる。
自分のクラスの何が悪いかわからない、という悩みを抱える方にも、おすすめの本である。
2018年1月21日日曜日
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