昨年11月、第4回やる気スイッチセミナーがあった。
満員御礼の会場の中、熱の込められた発表が続いた。
私を含め、講師を務めた全員に共通していることがあった。
うまくいっているようで、誰しもそれぞれの壁に当たっているということである。
周りからすればうまくいっているように見える実践でも、必ずしも満足いっていない。
本人の中では課題だらけである。
むしろ課題が見つからず、「どうすればより良くなるのか」がわからないというのが、最も悩む。
30代あたりで、多くの人が当たると思われる壁がある。
学級経営において「自分の思う通りになる」ということへの恐怖感である。
統制がとれすぎることへの疑問である。
もっといきいきと自由に学ぶ学級を求めて、長い長い試行錯誤が始まる。
私も未だに壁にぶつかりっぱなしである。
自由な学級といえば、有名なところで、岩瀬直樹先生の実践がある。
(参考 『クラスづくりの極意―ぼくら、先生なしでも大丈夫だよ』
岩瀬直樹著 農山漁村文化協会
https://www.amazon.co.jp/dp/4540102516)
「信頼ベースのクラスづくり」を掲げ、ファシリテーターとしての教師像の具体を示している。
多くの人にとっての憧れの形であり、理想形である。
しかし、単純にそのまま真似しても、なかなかうまくいかないのも事実。
そのレベルの実践には、一足飛びにいけるものではないのである。
ご本人が様々な形の実践を重ねた上での、集大成である。
例えば向山洋一氏は、法則化運動、TOSSという大きな動きを作った。
向山学級の数々の実践に憧れて、多くの教師が参加している。
向山実践の追試によって、救われた人は数知れない。
しかし、それで向山氏と同じ方法をとり続けようとしても、必ずどこかで壁にぶつかる。
こればかりは、実践して失敗しながら経験を積むしかないのである。
転ばないで自転車に乗れるようになることなできない。
法則化された方法といえども、この法則に例外はない。
(ただし、誰がやってもある一定の効果が出る指導方法自体は存在する。)
ただ、様々な手法を知っていると、目的と相手に応じた選択ができるようになるのは事実である。
選択が多いというのは、より「自由」ということである。
本を読んだりセミナーに参加したりというのは、自分の中の選択肢が増えるという点において、大変有益である。
私は仕事術に関しての話だったが、選択肢が増えた人も結構いたのではないかと思われる。
「ノー残業デー」の設定を当たり前と考えていた人、定刻退勤は無理と考えていた人に、一筋の光を示せたのではないかと思う。
ただし、必ずしも私の提案した方法を採用しなくともよい。
ただ単に、選択肢が増えただけである。
今回のセミナーでは、私自身のやる気スイッチが入った。
セミナーに関わった全ての方々に感謝申し上げたい。
今回のセミナーの後で、次の会が決まった。
次は逆に私たちが仙台に赴く。
第40回縁太会『教えます!「やる気スイッチ」ON!学級開き』
講師:飯村友和×松尾英明×縁太会
月日:3月31日(土)
時間:10:00~17:00
場所:戦災復興記念館4階第1会議室
↓申し込み
https://ssl.kokucheese.com/event/entry/502449/
この会でも、自分の中の新たな「壁」にぶつかるだろうと予測している。
ご縁のある方との次の出会いを楽しみにしている。
2018年1月7日日曜日
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