2020年12月3日木曜日

やる気いらない説

やる気を起こすにはどうするか。

自分のかつての著書のタイトルにもあるように、長年の関心事である。

最近でもこのテーマで何本か記事を書いて、ますますよく考えるようになった。


その中で辿り着いた一つの考え方は

「やる気の有無はどうでもいい」

というものである。

今回提案するのは「やる気いらない説」の考え方である。

(一応前置きしておくと、全ての方法は万人共通ではないので、数ある考え方の内の一つである。)


やる気はたくさんの人の関心事であり、どうでもいいはずがない。

それはわかっている。

しかし、それでも、どうでもいいという考えに基づいた説である。


どういう考え方か。


やる気を「物事を自らすすんで実行しようという気持ち」と定義する。

諸説あると思うが、自分として一番しっくりくるので、ここではそう定義する。


まず、多くの人が進んでやる気を起こすことは何かと具体的に考えてみる。


例えば、ゲームをすること。

放っておいてもやるどころか、禁止されていても何とかやろうとする。

何時間も熱中する。

文句なしにやる気を起こすものの一つである。


例えば、飲酒。(あるいは、甘い物など、好きな物を食べ過ぎるほど食べることでもいい。)

飲まなくていいのに飲む。

身体にもお財布にも優しいといえないほど、進んでたくさん飲む。

アルコール中毒でなくても、毎日のように飲む人がかなりいる。

翌日に支障をきたすほど飲む。

これも、かなりの「やる気」を起こしているといえる。


ネットショッピングもそう。

趣味の読書や音楽、車いじりやコレクションなどもそう。


他にも諸々、やりすぎてマイナスになるほどにやる気を出してしまうものは、身の回りに溢れている。

もし何もなくても、SNSを数分眺めていれば、それらのあらゆるやる気を引き出しまくってくれる。


もう既にこの時点で、やる気はない方がいいのではないかと思ってしまう。


しかしここで多くの人からツッコミが入る。

「勉強やエクササイズのような、役立つものへのやる気が必要なのだ」と。

その通りである。

では、ここについて考える。


なぜゲームのように勉強に没頭しないのか。

なぜ飲酒のようにエクササイズに没頭しないのか。

両者の違いは何なのか。


違いの一つは、やる気が出やすいものの方は、単に楽しむためのもので、かつ他者からの達成目標が義務付けられていないものばかりである。

ゲームにはクリア目標が無数にあるが、誰に強制された訳でもない。(そもそも達成目標自体はゲームの要素の一つである。)

飲酒時にはここまで飲むべしという規定もないし、誰も毎日飲めとは言っていない。

ただ、楽しんでいるだけだから、延々とやる。


一方の勉強やエクササイズには、自分を含めた誰かしらに義務付けられた達成目標がある。(場合がほとんどである。)

すると自分の中で「やらねばならない」という強迫観念が働く。

「やれば後々いいことがある」ということ自体はわかっている。

しかし、どこか「ねばならない」という義務感があるのである。

あまり楽しんでいないといえる。


逆に考えれば、その楽しさと義務感さえなければ、両者は「行動」という点では同じである。

ただただやっている状態。

ゲームに没頭し続けている時、飲み続けている時と、これはほとんど同じ状態である。

やり続けると体が疲れる、眠いなど、それなりに苦痛が伴っている点も同じである。


では、どうすればいいのか。


一つは、何も考えないことである。

やる気を出そうとかしないで、やる。

ただ、これがあるからやる。

それだけしか考えない。

考えれば考えるほど、やれない言い訳、やることによる苦痛を探し出すからである。

元々楽しいと思っているものではないのだから、考えるだけマイナスである。


洗い物などはわかりやすい。


やる気が出るまで置いておくと、溜まりまくる。

「今は食べた後の幸福感を無駄にせず味わいたいから」「次のものと一緒に一気にやった方が時間の節約になる」等々、非論理的な理由を並べたて始める。

結果、いつまでたっても、やらない。

一人暮らしなのに食器が結構な数あるような人だと、尚更やらない。

(家族がいる人は、強制力が働くので、どこかで必ずやる。しかし、他の誰かしらがやってくれるとなると、毎回やらない。)


一方、「食べ終わる→洗う」という流れを、自分の中で無思考で行うルールにしておけば、洗い物は終わる。

その時、途中で何も考えないことがコツである。


長くなったので、それをどうやって身に付けるか、ということを次号で考えていく。

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