前号の続き。
OECDの保育白書からの学び。
次のようなことがわかった。
1.教員の質向上を求める割に、政府は予算の配分を渋るという事態は各国共通
これは、次のような構造である。
資格自体を向上しようとする
=予算の増大&給与の上昇
=サービスコストの増加
=政府は後ろ向き&やらない
その結果、
=教員の質が向上しない
=社会的地位の低下&賃金の低下&採用試験の倍率の低下
=更なる質の低下
このような悪循環が起きる。
これは、小学校教員の場合と酷似した現象である。
「お金をかけずに質を向上」というようには、なかなかいかないようである。
未来への投資と考えて欲しいが、予算は目の前のことに充てられるのが現実である。
2.コアとなる教員がいると全体のレベルが上がる
・研修を受けた教員
・高い資格をもった教員
・長期間在職している教員
これらの教員がいるチームでは、全体の教育実践の質が高くなる傾向があるとのこと。
つまり教員の若年化が進む日本では、より質の高い「研修」「資格」がカギになるといえる。
しかも、全員が高レベルな一般教養を身に付ける必要はなく、一部の者が他へ影響を与えることで、かなり補完できるという。
つまりは、コア教員の存在である。
幼稚園や保育園では、チーム保育が普通であるから、新人で未経験であっても仲間のサポートが入りやすい。
小学校でも、学級王国の状態から、学年団がチームとして教育に携わることの重要性がわかる。
(学級間における「勝ち」が褒め称えられる時代は、終わりである。)
他にもまだまだあるが、長くなるのでこの程度にする。
要は、保育の抱えている問題とその解決策は、小学校と共通点が多いということである。
幼児教育について学ぶことは、小学校の教員にとってかなり有益になるのではないかと思われる。
2020年1月20日月曜日
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